六連星手芸部員が何か書くよ

基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ、アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。 本音を言えばあみぐるまーです。制作したヒトガタあみぐるみについて、使用毛糸や何を考えて編んだか等を書いています。

SFアニメ・漫画を語る


自分が読んできた、観てきたモノからピックアップして紹介。
以前、twitter上に挙げた10作+後に挙げた1作。
簡単なあらすじと補足や感想を併記。

serial experiments lain
中村隆太郎監督作。ワイヤードと呼ばれるネットワークが世界を覆った現代。玲音と呼ばれる少女が体験する、自身の存在と世界の有様、そして、他者との繋がりを描く。98年発表にも関わらず、近年のSNSの有様を鋭く予想、描写した。技術面の他、それに纏わるトラブルや人間関係、自己の内面にまで踏み込んだ。
ジャンルとしてはサイコホラーやSF等に分類される本作だが、玲音というキャラクターを読み解く上で、実在した精神科医レインの記した"自己"が役立つように思う。この読みが正しければ、『lain』とは即ち、玲音を取り巻く再生と救いの物語と言えるのではないだろうか。

Ergo Proxy
荒廃した地球、隔離されたドームでの生活、良き市民であることの強要。不安定な管理下にあるディストピアにおいて、キャラクター達は自らの「レゾンデートル(存在理由)」を求めて旅をする。
作品としては完全に別物だが、後述の『LASTEXILE』と対になる世界観と捉えることも出来るかもしれない。

GUNSLINGER GIRL
対テロ組織、社会福祉公社は重度の障害を持つ少女を洗脳・義体化し、暗殺者として使役していた。テロとの戦いを通して、大人達の葛藤、少女達の小さな幸福と苦悩が描かれる。
相田裕原作、第16回文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞受賞作。幼い少女と銃という組み合わせや連載誌から、萌系かと思われがちだが、中身は硬派な社会派群像劇。

LAST EXILE
アナトレーとデュシスの二国の戦争をギルドが支配する世界、プレステール。小型の飛空艇ヴァンシップで運び屋を営むクラウスとラヴィは、死神の異名を持つ無敵艦シルヴァーナへの荷運びを依頼される。
GONZOの初期作品の一つで、CGを用いた迫力ある飛空艇の描写や空戦、艦隊戦が魅力の一つ。また、父親達の遺志、復讐、戦争等、様々な要素が絡み合いながらクライマックスへと向かっていく群像劇でもある。

GHOST IN THE SHELL
電脳化、義体化が進んだネットワーク社会。政府直轄部隊公安9課(攻殻機動隊)は、外務省に仕掛けられたテロを捜査する中、人形使いと呼ばれるウィザード級ハッカーと対峙し、その意外な正体を突き止める。
士郎正宗原作『攻殻機動隊』の劇場版、押井守監督。アメリカでビデオセールス100万本を記録し、マトリックスの原型の一つであることから、海外での知名度の方が高いかもしれない。劇場版は原作の人形使いエピソードを大筋のシナリオ原型としてるが、ラストの解釈が大きく異なる。

風の谷のナウシカ
アニメージュ連載。人が立ち入ることが出来ない、蟲達の住まう腐海が広がる遠い未来。ナウシカは、トルメキアと土鬼の戦争に巻き込まれ、やがて、古の戦争の真実、腐海の成り立ち、自分達の出生の秘密を知る。
金曜ロードショーで放送される度に、幾度となく注目されてきた原作漫画。映画は原作2巻の途中まで、という話は有名。映画版は一見するとファンタジーで、原作のSF設定はほとんど顔を出していなかったりする。漫画家宮﨑駿の凄まじい描き込みにも注目。

ミュウツーの逆襲』
フジ博士は死んだ娘アイを蘇らせるため、クローンの研究にのめり込み、アイの魂のコピー「アイツー」と、ミュウのクローン「ミュウツー」を誕生させる。2人は心を通わせるが、アイツーはやがて消滅してしまう。成長したミュウツーは己の存在意義に苦悩し、自らを生み出した人間への逆襲を始める。
劇場版ポケモン第一弾。ゲーム版金銀以降のシリーズは、ファンタジーに重きを置いた作風だが、初代はSFや科学の面が強く、それが最も反映された作品。当時子供だった人に観返して欲しい。

イノセンス
愛玩用ガイノイドハダリ」が次々に所有者を殺害する事件が発生。テロの可能性が疑われたため、公安9課のバトーとトグサが捜査に当たる。やがて、ハダリに隠された秘密、暴走の恐るべき原因が明らかになる。
押井守監督、『GHOST IN THE SHELL』の続編に当たる。原作6話『ROBOT RONDO』をシナリオのベースとしているが、大筋以外は別物。日本アニメ史上、最高レベルの作画クオリティを誇る作品。バトーが最後に語る「人形」の意味する所が心に刺さる。

銀河鉄道999
機械の体を手にする富裕層が、生身の人間を虐げる未来。母親を惨殺された鉄郎は、メーテルと共に機械の体を授けてくれるというアンドロメダ星雲を目指す。訪れた星々で、鉄郎は機械の体に纏わる喜悲交々を体験していく。
松本零士原作。続編等も描かれているが、初期シリーズ以外を読んでいないため、補足は割愛。ちなみに、上記『イノセンス』に登場した用語「セクサロイド」の語源は、松本零士の同名コミックと劇中に登場するガイノイド。現在では、性交渉を目的として作られたガイノイド、という意味合いで用いられることが多いが、元々は諜報活動を目的として付与された機能の一つに過ぎない。

放課後のプレアデス
扉の鍵を開け温室に迷い込んだすばるは、みなとという少年と出会う。すばるが友達の悩みの相談を持ちかけるうちに二人は惹かれあい、プラネタリウムの宇宙で想いを交わす。だが、みなとには悲しい秘密があった。
魔法少女のイメージで敬遠してる人に、認識を改めて観て欲しい、SFジュブナイル、直球のガールミーツボーイ。国立天文台が監修した天体描写や、最新の研究に基づくブラックホールの描写等にも注目して欲しい。

成恵の世界
雨に打たれる捨てハイエナを助けようとした和人は、それをバットで撲殺した成恵という少女に一目惚れ。交際を申し込み、清いお付き合いを始めるが、なんと、彼女は宇宙人。様々なトラブルに巻き込まれながら、2人は絆を強めていく。
丸川トモヒロ氏作、2014年星雲賞コミック部門受賞作。度重なる休載にも関わらず、宇宙スケールの壮大なSFラブコメは円満に完結した。パラレルワールドタイムパラドックス、機族との交流等、多種多様なSF要素を内包する。読み易いが設定はかなり複雑。周回読み推奨。

 

以上、11作。