六連星手芸部員が何か書くよ

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『カードキャプターさくら クリアカード編』エリオル君の家問題を考察

本記事では、原作『カードキャプターさくら』及び『カードキャプターさくら クリアカード編』、テレビシリーズ『クロウカード編』『さくらカード編』『クリアカード編』、劇場版『封印されたカード』のネタバレを含みます。知りたくないという方はブラウザバック推奨。

カードキャプターさくら クリアカード編』始まりましたねっ!!
放送開始前は、キャラクター紹介の一覧に苺鈴ちゃんの姿が無かったり、原作最終話基準のOVAが発表されたりと、「アニメ版のクリアカード編は、旧作の続きではないのかな?」なんて事を不安に思いながら視聴開始した方も多いと思います。が、そこは旧作スタッフが再集結した本作。1話冒頭の「ケロちゃんにおまかせ」で本作が旧作の続編である事が説明され、更には、2話にて存在を示唆されていたアニメオリジナルキャラクターである苺鈴ちゃんが、6話に電話越しの声だけとはいえ登場したことにより、旧作の流れを汲む作品である事が劇中でも示されました。

が、7話放送時に流れた予告から、原作既読組が懸念していたある問題が浮上しました。エリオル君の家問題です。(※仮称、本記事では以下同様に記述します)

・エリオル君の家問題とは
クリアカード編から登場する新キャラクター、詩之本秋穂ちゃんは、ある本を探す為に来日し、エリオルが住んでいた家に引っ越してきます。これは、原作、アニメ版で共通の設定なのですが、実はこの家、劇場版で取り壊されて跡地に遊園地が建設されているのです。(敷地広過ぎでは…?)その事が発端となり起こった事件を、『封印されたカード』ではさくらや小狼が解決する事になるのですが、エリオル君の家が健在である場合、これが無かった事になってしまいます。原作では『封印されたカード』に相当するエピソードはない為、エリオル君の家に秋穂ちゃんが引っ越して来ても何も問題はありません。しかし、同様の設定をアニメ版に適応した場合、『封印されたカード』との矛盾が生じる、これがエリオル君の家問題です。

・根本的な問題とは
世界観をパラレルワールドとして扱い設定の矛盾を解決する、こうした方法は様々な作品で行われている手法であり、そういう方法が取られること自体には異論ありません。しかし、『封印されたカード』は、テレビシリーズのラストでの小狼からの告白に、さくらが真正面から応える作品であり(本編ラストでもすっごくいじらしくて可愛い返答はしてますが)、また、テレビシリーズの主題歌を手掛けた坂本真綾さんが最後のクロウカードの声を当てた作品であり、さらには、日本のセルアニメ史の最後を飾った劇場版アニメでもあります。こうした作品を設定矛盾の解消の為だけに無かった事にするというのは、幾ら何でも有り得ないのではないか、というファン目線の心情こそ、エリオル君の家問題の本質と言えるのではないでしょうか?

・『封印されたカード』とアニメ版『クリアカード編』はパラレルワールドなのか
前述の通り、テレビシリーズ本編ラストシーンでも、さくらは小狼に告白の返答はしています。それはそれで、視聴者が悶絶して転げ回り、箪笥の角に頭をぶつけかねないような破壊力を持った返答である為、1話で知世ちゃんとの会話の中で触れられていた通り、クマのぬいぐるみを後から贈った、という設定を適応すれば、『封印されたカード』を無かった事にしても『クリアカード編』への繋ぎには問題はありません(この場合、「名前の無いカード」の扱いはどうなるのか、という別の問題が生じますが)。しかしながら、『封印されたカード』とアニメ版『クリアカード編』が繋がっていないのではないか、というのは、あくまでも視聴者の憶測にすぎません。この問題を考察するにあたり、重要な場面が2話のアニメオリジナルシーンで描かれています。みんなで中庭でお昼ご飯を食べながら部活動の話をするシーン、それそのものは原作にもあるのですが、アニメ版では知世ちゃんの「小学校の時の舞台脚本も素晴らしかったですし、奈緒子ちゃんの舞台拝見したいですわ」というセリフが追加されています。劇中では、小学生時代にさくら達のクラスが文化祭で『眠れる森の美女』を上演していますが、一貫して“劇”と表記されていますし、奈緒子ちゃんによって脚本が書かれたという言及もされていません。また、桃矢が演じたシンデレラやさくらが自主製作映画にゲスト参加するエピソードもありますが、友枝高校での話であって、友枝小や友枝中学の話ではありません。よって、わざわざこのセリフを追加した以上、その意味するモノは、奈緒子ちゃんが脚本を書いた『封印されたカード』のなでしこ祭での劇中舞台「悲しい恋」以外に有り得ないわけです。(※10話で舞台のアルバム写真が出てきた為、2話のセリフの裏付けがなされました)

・今後の展開
上記の考察より、アニメ版『クリアカード編』は『封印されたカード』とはパラレルワールドではないと考えられます。そもそも、リバイバル上映では、新編「クリアカード編」につながるもう一つの物語、と謳っていましたしね。では、エリオル君の家が存在する『クリアカード編』の世界とは何なのか…。

ここで、押さえておきたいポイントがいくつかあります。まず、『クリアカード編』開始時点では「さくらカード」が魔力を失い透明なカードとなりました。これはつまり、元クロウカードの封印の本が失われた、と置き換える事ができると思われます。一方で、秋穂ちゃんが来日した目的は、「ある本を探す為」である事が明かされています。彼女の身の回りのお世話をしている執事、ユナ・D・海斗が魔術師である事が示唆されている現状においては、彼女たちが探し求めている本はクロウ・リードの魔導書である可能性が高く、とりわけ、彼の最高傑作であるクロウカードの封印の本が最有力候補でしょう。『封印されたカード』では、クロウカードが暴走した際のカウンターとして用意されていた53枚目のカードが、クロウカードが全てさくらカードとなった為に、逆に暴走する結果となってしまいました。今作においても、クロウカードの封印の本に掛けられた何らかの防衛機構が働き、現状の事態を招いている可能性が考えられます。また、この点を考えるに当たり、クロウカードの封印の本は、さくらカードの本となった時点で既に失われている、という事を押さえておく必要があると思われます。夢の中に現れるモチーフや秋穂ちゃんのお気に入りの本、海斗の身に着けているモノは全てが時計ですが、夢に現れるメタファは、何者かが失われたクロウカードの封印の本を手に入れるために、時間に干渉している事を意味しているのではないでしょうか?(予想通り、16話で海斗が時間に干渉する魔法を使いましたね。コレでエリオル君の家を戻しているのでしょうか?)これは、取り壊されたハズのエリオルの家が元に戻っているという現状と合致し、かつ、エリオルが奈久留の繰り返しの嘆願に対しても、一貫して「日本に行っても何も出来ない」と答えている説明にもなっていると考えられます。小狼が外部から事態に干渉出来ている理由は、くまのぬいぐるみよってさくらと縁を繋いでいるからではないでしょうか?ちなみに、原作では、小狼はエリオルと密に連絡を取り合っていますが、アニメ版においては現状そういった描写は一切無く、おそらく、旧シリーズと同様に、原作とアニメ版では一部設定が根本的に異なると推測されます。いずれにせよ、情報が不足している為、今後の展開を見守りたいと思います。

(※11話でエリオルと小狼が連絡取り合ってた上に、エリオルが家が戻ってる事について言及しませんでした。一体どうなっているのか…)

(※21話において、クロウリード邸が確かに一度は取り壊されて遊園地になっていた事、それが後に元に戻された事が、ついにエリオルの口から語られましたね。そして、どうやらケロちゃんや月ですらその事を覚えていないという事も。まさか、海斗がエリオル 以上に強力な魔術師とは…)

しかし、コレだけは主張しておきたいのですが、どのような結末であれ、私はただただ、ミラーの無事を願うばかりです。

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