六連星手芸部員が何か書くよ

お基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ。アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。

SF忍者アクション『BLACK FOX』感想と考察、今後に期待することについて

・前書き

唐突ですが、私はstudio 3Hzを信じて付いていきます。そんな決意を新たにしたタイミングで丁度公開となった本作ですが、最近は公式のPVやあらすじで重要な場面まで見せられてしまう事が多く、私はそれが嫌だった為、スタッフリスト以外に殆ど情報を仕入れる事なく「3Hzを信じろ」の精神で映画館へと足を運びました。もっとも、そのスタッフリストを見た瞬間「あ、これはどう見ても普通の忍者アクションアニメじゃないな…」というのは察してしまったのですが。


・あらすじ(公式サイトより全文引用)

近未来の大都市の一角に佇む忍者屋敷。

そこで暮らす忍者一族である石動家の長女・律花は研究者である父親に憧れていた。

平凡で幸せな生活が続くと思っていたとある日、突然何者かによって屋敷が襲撃を受けてしまう。絶体絶命の危機に果敢に立ち向かう律花だが――。

闇を斬り裂く“黒”になれ!

BLACKFOX公式サイト


なんやかんやあって女の子と女の子が出会い、そして戦う復讐劇です。その辺を詳細に書いても野暮なので、御自身の目で確かめて下さい。

※ここから下は、劇中に登場するSF的なガジェットやメカ、特定のキャラクターに関する重要なネタバレ含めて考察するので観てない方はブラウザバック推奨。


・スタッフ(一部抜粋、敬称略)

総監督: 野村和也(『攻殻機動隊 新劇場版』監督)

監督:篠原啓輔(『凪のあすから』監督)

キャラデザ:斎藤敦史(『SAO』『アルドノアゼロ』メインアニメーター)

脚本:ハヤシナオキ(『フリップフラッパーズ』8〜13話脚本)

メカデザイン:片貝文洋(『コードギアス』メカデザイン)

アニマルドローンデザイン:安藤賢司(『鴉-KARAS-』『TIGER & BUNNY』メカデザイン)


はい、前述の通りどう考えても時代劇的な忍者アクションやるスタッフじゃないです。明らかにSFアクションを描く為に招集されたスタッフです。実際には忍者アクションも本格的に描かれており、直近で話題になった『どろろ』リメイクにおいて終盤の戦闘シーンを手掛けた渡邊啓一郎氏なども参加されてます。しかし、その前提で期待すると少し違う料理が出てきたと感じた方もいたのではないでしょうか?


・SFガジェット

SFを描く為のスタッフと評した通り、本作には『攻殻機動隊』でもお馴染みの光学迷彩や多脚戦車、ガイノイドなどの様々なSFガジェットが登場します。そして、忍者といっても使役している動物たちは全て人工知能を搭載したドローンで、ホログラムの投影やサーモグラフィーによる戦力分析、監視カメラのクラッキングなどの現代版忍者アクションを支えます。

一方で、超能力が存在する世界観はファンタジーに片足を突っ込んでる、と思われた方もいると思いますが、実はあまり知られていない事かもしれませんが攻殻の世界ってエスパーいるんですよ。荒巻課長が少佐を「エスパーより貴重な才能」と評していたり、原作でも霊能局なんて政府の機関が登場するくらいです。つまり、本作もそれと同様に超能力が科学的に証明された(ただし、本作ではまだ公に認められてもなければ実用化にも至っていない)世界観というわけです。ただ、ビジュアルや設定的には『スプリガン』の米軍機械化小隊の方が近いかなと思います。


魔法少女

物語のクライマックスにおいて、あるキャラクターが敵戦力だった多脚戦車の主導権を乗っ取り使役するシーンがあるのですが、ラストカットにおけるそのキャラクターの衣装はどう見ても白魔道士然とした魔法少女服でした。いわゆる萌えキャラ的なビジュアルが最後にいきなり登場した事で一瞬「!?」と混乱したのですが、SFで、というより先にも挙げた『攻殻機動隊』のようなSFで魔法少女というと、そのジョブは自ずと決まってます。彼女は本作におけるウィザード(魔法使い/特A級ハッカー)の役割を担っている事を、先の多脚戦車のクラッキングと併せて視覚的に演出したのではないかなと思われます。敵の本当の狙いが彼女であった事が語られて物語は一旦幕を閉じたわけですが(続きやりますよね?)、序盤のシェルターのシーンや怪我をした時のリアクションなど、彼女の出自や正体を仄めかす伏線はちょくちょく描かれていました。


・シナリオについて

本作は主人公である律花の復讐劇がミアという少女との出会いを軸として展開されていますが、一方で上記の魔法少女を巡る物語はその正体が明かされた所までが描かれたに過ぎず、また、その存在が生み出された事によって律花の復讐の原因となった事件が引き起こされた事が示唆されています。少女と少女が出会う物語としては一つの区切りが付いた本作ですが、シナリオの全体像としてみればまだプロローグが終わったに過ぎません。尺不足という声もありますがそんなレベルのものではなく、物語としてはまだ始まったばかりなんですよ。プロローグです、高品質の体験版です、少女たちの物語はこれからが本番です。そういうところで一旦終わります。あくまで一旦。


続き、必ず描いて下さいね?