六連星手芸部員が何か書くよ

基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ、アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。 本音を言えばあみぐるまーです。制作したヒトガタあみぐるみについて、使用毛糸や何を考えて編んだか等を書いています。

放課後のプレアデス好きに贈るアニメを語る

以前twitterに上げた3作品について、あらすじ補足を加筆修正して掲載

 

灰羽連盟
壁に囲まれた街に、天使の様な姿で少女が生まれ落ちる。少女は、真っ直ぐに空から落ちていく夢から「ラッカ」と名付けられ、穏やかな優しい世界を過ごす。しかし、季節が巡りやがて冬が訪れると、心の葛藤、罪、そして救済が、生々しく描かれる。
原作安倍吉俊氏により、キャラ原案、シナリオ構成、全話脚本の他、街や建物の外観、内装、小物や服飾のデザイン、劇中に登場する絵画に至るまで、あらゆるデザインが描き下ろされた。また、OPテロップや劇中に登場する札の文字まで氏の直筆となっている。ここまで一人の作家性が前面に出たアニメ作品は、後にも先にも灰羽のみではないだろうか。

選定理由:その世界にやってくる、世界を見る、個別回、一つの別れ、2人の物語にシフト、相手の世界と絶望を知る、そして、相手の手を引く。最終回に向けて、ひたすら丁寧に積み重ねて。 その構成の近さから選定。

電脳コイル
街中に電脳空間が形成されている近未来の金沢。時を同じくして転校してきた2人の「ユウコ」が体験する、怪談や迷信にも似た電脳空間での出会いと別れを通し、子ども達の喪失と成長が描かれる。
歴戦のアニメーター、磯光雄氏の初監督作品。昭和の懐かしさと近未来の電脳技術が共存した、SFジュブナイルの傑作。原画陣にはジブリ、IG、MAD HOUSEの劇場アニメの作監クラスが名を連ね、その動きには、まるで質量が伴うかのような錯覚を覚えるほど。また、おじじこと小此木先生のモデルは、おそらく実在の精神科医小此木啓吾氏。氏の著書『対象喪失』は、この物語を読み解く助けになる。

選定理由:SFジュブナイルというジャンル、2人のユウコの関係性、ヒロインに救いを得るクライマックスへと至る展開から選定。ちなみに、優れたハッカーの敬称の一つにウィザード(魔法使い)が挙げられる。

輪るピングドラム
病気を抱える少女陽毬は、双子の兄、冠葉と晶馬と3人で暮らしていた。兄弟が陽毬の余命を宣告される中、3人は思い出の水族館を訪れるが、そこで陽毬の命の灯が消えてしまう。しかし、謎のペンギン帽の力によって陽毬は蘇り、ピングドラムを探すよう兄弟に命じる。
ウテナで知られる幾原邦彦氏監督作。全編を通して、友愛、家族愛、恋愛、様々な愛が描かれる。どんなに悲惨な運命であっても、愛によって救われると信じさせてくれる作品。独特な演出も魅力的。『銀河鉄道の夜』が物語のモチーフになっており、同カットで繰り返し描かれた日常が、最後にどのように帰結するかは見所の一つ。物語後半、トリプルHが歌うARBカバー曲がどれも素晴らしい。

選定理由:愛によって救われるその根底のテーマから選定。