さて、私と同じように、普段はオンデマンドのサービスのみに加入しテレビはポイしてしまっていて、年末年始やお盆に帰省した時だけ何となくテレビを見る、という方もそれなりにいるのではないかと思います。で、数ヶ月振りにリアルタイムで放送されているテレビ番組というモノを視聴した結果、何よりも強く思った事は下記に尽きます。
とにかくうるさい。情報過多。見るのが苦痛。
・画面がうるさい
次々と切り替わる出演者のアップのカット、画面の四隅にデカデカと番組タイトルロゴ、その日の特集タイトル、その都度挿入される煽り文、テカテカと装飾された現在地、ワイプで常時映されるスタジオの様子、逐一画面下部を埋め尽くす字幕…、目がチカチカする…。
・音声がうるさい
取材組の数人の出演者と取材相手だけならまだ良いんですよ。それに加えて、スタジオワイプから聞こえる雛壇のガヤ、スタッフのガヤ、編集で挿入されるのかスタジオ見学のお客さんなのか第三者の笑い声や歓声、驚嘆の声、何かある度に挿入される大げさなSE…、耳がキンキンする…。
で、この情報の中でのメインって何?何を伝えたいの?
というような事を思う事が多々ありました。自分は感覚過敏の類なので人並み以上にそう感じるのでしょうし、特に情報過多を刺激には感じない方も勿論いると思います。ただ、自分にとっては苦痛だったというだけの話です。補足すると、番組で扱われている題材が面白いかどうかとは別のレベルでの話ですね。で、前置きはここまでにして本題となる表題の話です。
・なんて静かな番組なんだ
前述の通り、自分は日常的にドラマもバラエティ番組も全く見ないのですが、料理趣味も相まって『孤独のグルメ』だけは欠かさず観てます(配信も観やすいですし)。で、どうしてこの番組に対して、自分はこんなに好感情を持っているのだろうとずっと疑問だったのですが、他番組と比べてみてはっきりわかりました。とにかく画面も音も静かで、かつ、「おじさんがご飯を食べているだけ」という番組のメインが一切のブレなく画面に映し出されてるから、それに尽きると思います。ここで言う静かというのは、ワイプもガヤも余計なテロップも無く、ただただおじさんが料理を食べる姿が画面に映り、聞こえてくる音声は料理に舌鼓を打つおじさんのモノローグ、食材を噛みしめる音、箸が食器に当たる音、時には鍋のグツグツとした音、鉄板や網の上で食材が焼ける音、そして、おっさんバンドによる軽快なBGM…料理を食べる事がメインの番組において、余計な情報が全然入ってないんですよ。改めて考えてみると、『孤独のグルメ』ってなんて静かな番組なんだろうってしみじみと思いましたし、何時間でも観ていられるのは観てて全く疲れないからなのではないかなと思います。
お腹は空きますけどね。