六連星手芸部員が何か書くよ

基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ、アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。 本音を言えばあみぐるまーです。制作したヒトガタあみぐるみについて、使用毛糸や何を考えて編んだか等を書いています。

30秒はセーフ?アウト?駆け込み乗車って何秒前までセーフなの?-ゼノンのパラドックス的解釈論

<駆け込み乗車って何秒前までセーフなの?>

さて、路線バスが発車30秒前を理由に車椅子の乗車を断った事の是非について話題になっていますが、まあ、30秒前なら…、と思う人が相応にいる事が議論の発端かと思います。では、これが20秒前なら?微妙なラインだと思う人は増える事はあっても減る事はないかなと思います。もし、これが10秒前なら?鉄道なら間違いなく「駆け込み乗車はやめて下さい」とアナウンスされている事でしょう。仮に、5秒前なら?どうでしょうか?


<駆け込み乗車のパラドックス>

でも、考えてみて下さい。もし、「発車前であれば乗せるべき」という前提が正しいのであれば、何秒前であろうとその考え方にブレは生じないハズです。たとえ発車の5秒前、1秒前、0.1秒前、それが0でないのならどこまで刻んでも乗客は発車時刻に追い付く事はないので、理屈の上では何秒前でもセーフです。駆け込み乗車なんてモノはこの前提の上では存在し得ません。


本当に?


<理屈とフィーリングの差別化>

上記のパラドックスでは極論を吹っ掛けたわけですが、現状でこの問に明確に答えられる方がいたら一報頂きたいところです。

ここからが本題ですが、30秒前という時間の是非について、これをフィーリングではなく理屈を立てて判断してる人はどれくらいいるのでしょうか?発車前であれば載せるべきという前提を遵守した場合、上記のような極論に行き着くなと考えた人はどれくらいいるでしょうか?自分は「なんだか前提がおかしいな」と思うんですよ。

※参考

ゼノンのパラドックス - Wikipedia


<実際問題どうすればいいの?>

車椅子の話に戻りますが、鉄道では駅の係員さんが車椅子の乗客の方を案内されている光景を日常的に見掛けるかと思います。密に業務連絡を取りながらスムーズに作業されていて、それが原因でダイヤが乱れるという状況には私は遭遇した事はないです。そして「鉄道 車椅子」とググった場合、すぐに必要な案内に辿り着きます。

お身体の不自由なお客さまへ>歩行の不自由なお客さまへ>車いすをご利用のお客さまへ:JR東日本

車いすをご利用のお客様:JRおでかけネット

 

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じゃあ「路線バス 車椅子」でググった場合はというと…

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まあ、事が起こったばかりなのでこうなるか、という感じではありますが、それを除外しても案内としてトップに出てくるのは下記のご当地の情報です。つまり、一本化された規定が無いか、有っても検索の上位にヒットしない状態なのかのどちらかだろうと思われます(普通こういった公共の情報は、前述のJRの案内のように検索上位に入るものです)。


車椅子で路線バスをご利用のお客様へ - 宇部市交通局


ここまで考えると運転手個人の問題とは言い難いと私は思います。明確なマニュアルが有るのか無いのか、有るとは思いますが周知されているとは言い難いですし、最初にパラドックスで吹っ掛けた通り「発車前なら乗せるべき」という曖昧な前提では今後も同様の問題が起こる事は想像に難く無いです。そもそもワンマン運行で車椅子対応可能なのかとか、事前連絡のお願いをJRみたいにもっと周知した方がいいんじゃないかとか、本来の発車時刻とはある種の別枠で乗車時間を確保するという可能性はないのかとか、色々と具体的に考える事は出来るのではないかなと思います。車椅子に限らず足腰の弱い御年寄が乗車に時間の掛かる事なんてよくある事ですし、乗せる乗せないなんて無意味な押し問答をしてないで色々と「前提に無理がある」という点を考えるべきかなと思います。


以上