六連星手芸部員が何か書くよ

基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ、アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。 本音を言えばあみぐるまーです。制作したヒトガタあみぐるみについて、使用毛糸や何を考えて編んだか等を書いています。

対称喪失

「あの子たち、結構気落ちしてたわねぇ……」

ある日、派閥メンバーたちが学舎の園の中でこっそり飼っていた猫が死んだと操祈ちゃんが言った。動物とコミュニケーションが取れる能力者曰く元々高齢の猫ではあったらしいが、それでも、そういった事柄にあまり触れる経験の無かったお嬢様たちには堪えたらしく、おおよそ畑仕事など似つかわしくない不慣れな手で土を掘り、中庭の片隅に小さなお墓を作ってあげたのだという。それを聞いたドリーは、お墓を作ったりお花を供えたりする意味を私たちにポツポツと尋ねたが、正直なところ、それに返答している私たちも額面通りの知識を答える事は出来ても、本質的に意味がわかっているのかは自分にもわからなかった。
それから数日間、ドリーはいつものように操祈ちゃんが図書館から取り寄せた絵本や図鑑を読みながらも、時折りページをめくる手を止めては頬杖を付き、ずっと何かを考え込んでいる様子だった。そして、猫の話から一週間ほど経ったある日、就寝時間に私がベッドサイドのランプの電源を落とそうとした時に、彼女は悩んだ末に出した答えを口にした。

「ねぇ、みーちゃん、みさきちゃん」
「なぁに?」
「わたし、あのこの……、もうひとりのドリーのおはかをつくってあげたいの……」


『対称喪失』


それは、私たちがこの蜜月に甘えてずっと見て見ぬフリをして結論を先送りにしてきた事だった。
操祈ちゃんに見送られた後、ドリーの遺体がどうなったのかは私たちにはついぞわからなかった。この学園都市の暗部は、生きている置き去りでさえ実験で使い潰し“廃棄する”ような倫理観の欠落した連中が牛耳っているのは言うまでもなく、実験の結果として死んでしまったドリーがその後どうなったのかは正直考えたくもなかった。降っては湧いてくるロクデモナイ想像を、ただただかぶりを振って掻き消す他に成す術は無いと思っていた。それでもドリーは“あのこがくるしくないように、おいのりすることはできるとおもう”と、あの子のために一生懸命に考えて、こうして打ち明けてくれた。

「純粋力な気持ちでいられるって良いわねぇ……」
「ちょっと、チャカサナイでよ」
「ごめんなさい。でも、茶化したわけじゃないわぁ。本当にそう思っただけよぉ。ドリーは、私が猫の話をしてからずっとこの事を考えていたのね?」
「うん…あのこにはそれがひつようだっておもったの」
「そうねぇ……。でも、ドリーには負担力を掛けてしまったかしら?」
「んーん、そんなことないよ。それに、あのこだけじゃなくて、わたしにも、みーちゃんとみさきちゃんにもひつようだっておもったの」
「ドリー……」
「確か、病院にもそういう場所があったハズだから、今度カエルの先生にみんなでソウダンしてみよっか?」
「うんっ!」

遺体が残っていない以上、彼女の遺した目の前にいるドリーを大切に守る事以外に自分たちに出来る事は無いと思っていた。この学園都市には神様なんていないから…。デモデモ、神様はいなくても奇跡は起こるこの街では、誰かを想って祈る事も決して無駄ではないのかもしれない事を私たちは知っていたーーー。[newpage]
「ーーーまだ、怖い夢は見るのかな?」
「うん、ときどき」
「そうか…」
「でも、ねるときはいつもみーちゃんとみさきちゃんがいっしょだから、めがさめたらそばにいてくれるってわかってるから、ゆめがこわくてもだいじょうぶ」
「そうか、うん、そうだね」

わたしのからだのよくないところは、にゅういんしてるときにカエルのせんせいがなおしてくれて、すっかりよくなっていました。それに、ねむっているだけでずっとうごかしていなかったこのからだも、リハビリやすこしずつおでかけをつづけていけば、そのうちスポーツやとおくへのおでかけもできるようになるだろう、ってせんせいはいってくれました。
でも、わたしにはほかにもこまったことがあって、けんさのひはこんなふうにカエルのせんせいとおはなしをしていました。わたしが、もうひとりのドリーのくるしかったことやかなしかったきもちをゆめにみることを、みーちゃんもみさきちゃんもまだしりません。きっとすごくしんぱいするとおもったからです。カエルのせんせいはおはなしをはじめるまえに、“ここでドリーから聞いた事は、僕もあの二人には勝手に話してはいけないんだよ?でも、もし、ドリーが話してもいい、一緒に考えて欲しいと望むなら、その時は一緒に話をしようね?”といってくれました。だから、きょうはわたしのきもちをすこしだけふたりといっしょにおはなししようとおもったんです。

「ねぇ、カエルのせんせい」
「なんだい?」
「わたし、んーん、わたしたち、カエルのせんせいにおねがいしたいことがあるの」
「僕に手伝える事なら相談に乗るよ?」
「ありがとう。あのね、ドリーの……、もうひとりのドリーのおはかをつくってあげたいの」

それをきいたカエルのせんせいは、ちいさなめをいつもよりもっとまるくしていました。きっと、すごくおどろいているんだとおもいました。

「……それは、みんなで決めた事なんだね?」
「うん」
「そうか、じゃあ、みんなで話をしなくちゃいけないね?外で待っている二人を呼んできて貰えるかな?」
「うんっ!」

わたしは、ふたりをよびにしんさつしつをでましたが、そのときのカエルのせんせいは、すこしうれしそうな、だけどかなしそうな、むずかしいかおをしていましたーーー。[newpage]
ーーードリーに呼ばれた私と操祈ちゃんは、一緒に診察室に入って事のあらましを話した。学舎の園で猫が死んだ事、その話をキッカケにドリーが死について考えた事、私たち二人がもう一人のドリーの事をこれまで考えないようにしていた事、たとえ何か形になるモノが無くても彼女の事をお祈りする方法が見付かれば良いと思っている事を。

「そうか…… 、わかったよ。君たちに受け入れる準備が出来たという事だね?すまないが、この後オペが入っていてね?詳しい話はその後でも良いかな?」
「うん」
「ありがとうね?じゃあ、午後に跨ぐからリハビリの後は食事でもして待っててもらえるかな?そんなに時間は掛からないと思うよ?」

そうして私たちはドリーのリハビリに付き添った後、お勧めされた病院内のカフェテラスで昼食を取った。そして、操祈ちゃんが“食後の紅茶でも頂こうかしらぁ?”と口にしたその時に、カエル顔の医者が“やあ、待たせたね?”とさっきと変わらない様子で現れた。まだあれから2時間も経っていないハズだ。

「オペが延期になった……、のかしらぁ?」
「いや、終わったからここに来たね?時間は掛からないって言ったはずだよ?」
「なんのしゅじゅつだったの?」
「脳腫瘍の摘出だね?」

イヤイヤ……、カエル顔の医者は平然と言ってのけたが、アレは普通数時間は掛かるモノなんじゃナイノ?状況が飲めずに首を傾げるドリーをよそに、私と操祈ちゃんが呆然としていると、カエル顔の医者はそういうリアクションは慣れていると言わんばかりの様子で“着いてきてくれるかな?”と私たちに声を掛けた。
案内されたその場所は、外観こそ他の施設と大差無いが内装はさながら冠婚葬祭を執り行う複合施設のようであり、その一画に設けられた共同墓地は霊園の名を冠するだけあって、まるで開けた花畑のような趣で作られていた。

「ここがこの病院の霊園だよ?病院で亡くなった身寄りの無い人や遺体として運ばれきた置き去りの子どもたちが埋葬されている」
「きれいなところ……。ここにおはかをつくってくれるの?」

ドリーの問い掛けに対し、それまで霊園の中をゆっくりと歩いていたカエル顔の医者が歩みを止め、私たちの方に向き直って言った。

「僕は君達に謝らないといけない」
「カエルのせんせい?」
「君達がこの病院に来るずっと前から、もう一人のドリーはここに眠っている」

私はその言葉を現実感を伴って認識する事が出来なかった。カエル顔の医者は今何と言った?ドリーはここに眠っている?言葉の意味は解ったが、状況はまるで判らなかった。つい先日会ったばかりのこの医者は一体何を言っているのだろうか?

「言ってる意味がわからないンダケド……」
「言葉通りの意味だよ?統括理事会から実験体の検死と解剖を手伝うようにと口添えがあってね?だから僕は了承する振りをして、ドリーの遺体を掻っ攫い荼毘に伏したんだ」
「……え?デモデモ……、マッテマッテ!ホントにそんな事したらタダじゃ済まないンジャナイの!?」
「勿論クレームは受けたね?だから、僕に何か頼むなら患者が亡くなる前に連絡しろと一喝しておいたよ」
「そんな危険力を冒して貴方にどんなメリットがあるのかしらぁ?」
「亡くなった患者の尊厳が守れる。それで十分だろう?」

そう言ってカエル顔の医者は再び歩き始めた。私たちは最初、カエル顔の医者が本当の事を話しているのか半信半疑だったが、それでも自分の行動に納得がいかない、どこか憤ったような無力感を噛み締めるような口振りからは、どうやら彼が嘘をついていない事は確かだった。それに、カエル顔の医者は私と初めて会った時、“事情はわかっているつもりだよ?”と言っていた。これを私は、事件の顛末を操祈ちゃんから聞いたという意味だと思っていたが、本当の意味は違っていたようだった。事情を汲めた事で私達が押し黙ると、どうやらそれまで私たちの剣幕で気後れさせてしまっていたらしいドリーが口を開いた。

「だびにふす……、ってなに?」
「え?あ……、エットエット、死んだ人を燃やしてあの世に送ってあげる事よ」
「もやす……。おなかのきかいも、いっしょにもやしたの?」

ドリーが遠慮がちに不安そうな声で尋ねた。あの機械の存在はドリーにとって大きなトラウマであるに違いなかった。

「いや、そうする前に全て取り除いたよ。あんな物を一緒に持って行くのは嫌だろうからね」
「うん……、いや…… 、だったとおもう。ありがとう」
「どういたしまして……。と答えた方が良いんだろうね?さあ、ここだよ」

そう言ってカエル顔の医者が立ち止まった場所には、確かに“Dolly”と名前が刻まれた小さな墓石があった。一緒に刻まれている日付に誕生日は無かったが、その命日は操祈ちゃんが話してくれたドリーと別れた日と同じであった。あの子が、もう一人のドリーがここに眠っているのはもはや疑いようの無い事実だった。

「あの子は……、ドリーは……、私とお別れした後に、辱められたりは…しなかったのね…?」
「ああ、僕が遺体を引き取ったのはあの子が亡くなって直ぐだ。だから、彼らの実験には利用させてはいないよ」

操祈ちゃんが震える声で噛み締めるように聞いて得た回答は、私たちが喉から手が出るほど強く欲していた言葉だった。あの子が死後にどういう扱いをされたのか、そこに私たちのロクデモナイ想像以外の結末があったなんて夢にも思わなかった。

「そっか……。そうだったのね……、良かったぁ……。よかったよぉ……」

操祈ちゃんは、糸が切れた人形のように膝から崩れてへたり込み、まるで幼い子どもがそうするように、人目も憚らず全てを投げ打つように泣いていた。

「操祈ちゃん……」
「私、ドリーに嘘ついてた事を最期まであなたに謝れなかったわぁ……。だから、ごめんなさい……。ごめんなさいドリー……」
「アンタがそんなだと、コッチまで……、調子、狂うじゃない……。私、私だって……。私、おなかの事見ちゃったからドリーと離れたんじゃない、嫌いになっちゃったんじゃないの……!!それをずっとあなたに謝りたかった……」

私たちはあの時と同じ言葉を吐露していた。私たちはあの子に、もう一人のドリーにそれを伝える機会をずっと欲していた。そうして、墓前で膝をつく私たちをドリーは後ろからそっと抱きしめてくれた。

「うん……、うん。ふたりのきもち、きっととどいてるよ。みーちゃん、みさきちゃん、あのこのこと、こんなにおもっていてくれて、ありがとうーーー」[newpage]
ーーー操祈ちゃんと二人で泣き腫らしてどれだけの時間が経ったのだろうか?周りを見渡すと、カエル顔の医者は気を遣ったのか、いつの間にか霊園からいなくなっていた。あの子を想ってこんなに泣いたのは初めてだったかもしれない。

「みーちゃんも、みさきちゃんも、ホントになきむしさんだね……」
「ドリーの前でだけよ……」
「言いふらしたらダメなんだゾ」

泣き腫らして真っ赤になった私たちの目を、ドリーは“うさぎさんのめみたい”と言ってフニャッと笑った。

「お墓にお供えする花、持って来なかったわね」
「だって、仕方ないわよぉ。こうなるなんて、全然思ってもみなかったもの……」
「そうね……」

そもそも、この霊園に眠っているのは、本来身寄りの無い、誰も訪ねて来る人がいない人たちばかりだ。だからこうして、誰も花を添える人がいない代わりに最初から花畑に彩られているのだろう。さっきからどれだけ時間が経っても私たち以外に誰も訪れる人がいないのは道理だった。だったら、私たちは謝罪の言葉以外にあの子に何を供えてあげられるのだろうか。そうして考え込む私たちに、ドリーが一つの提案をした。

「じゃあ、みーちゃんのイルカさんをみせてあげてほしいな」
「イルカ?」
「おはなじゃなくて、そのひとがすきだったたべものとかぬいぐるみとか、そういうのもおそなえするってほんでよんだの。だから、イルカさんがいいとおもう」
「私からもお願い出来るかしら?」
「ええ、勿論よ」

私は思い出のイルカを形作りお墓の周りを泳がせた。そしてやがて“せっかくこんなにひろいんだから”とせがむドリーに後押しされて、霊園の中全てを海に見立て、先日水族館で一緒に観たイルカショーを見様見真似で再現した。あの時、瓶の中でしか形作る事が出来なかったイルカがこうして広い景色の中を泳いでいる光景は、まるで自由になって外に出られたドリーの姿とダブって見えた。自分で言うのもなんだけど、花畑の中を泳ぎ回る銀のイルカの姿は綺麗だった。

「落ち着いたかな?綺麗なイルカだね」

人の気配がして振り返ると、いつの間にかいなくなっていたカエル顔の医者が戻ってきていた。

「変な気を遣わせたわねぇ……」
「いや、それもあるけど急患が入ってね?緊急のオペに呼ばれて、それを執刀して戻ってきたというわけだね?」
「こんどはどんなしゅじゅつだったの?」

ドリーはまたも臆せずに同じ質問を投げ掛けたが、私はこの人が急患に呼ばれたという時点で嫌な予感しかしていなかった。そして、やはりというべきか、カエル顔の医者はまるで明日の天気予報を答えるような調子でサラリと言った。

「蜘蛛膜下出血だったね?さすがに一日に何度も開頭手術をこなすのは骨が折れるね?」

つい先日まで学園都市の天気予報は100%外れる事の無い予知であったが、どうやらカエル顔の医者は現在もその調子を維持しているらしい。この医者はきっと、例え本当に自分の骨が折れたとしてもあっという間に自力で治してしまう事だろう。そういえば、病院の待合室に置かれた古い漫画の中に、つぎはぎ顔のモグリの医者が自分で自分の腹にメスを入れ、サバンナのど真ん中で開腹手術をする話があったっけ。アレはさすがにフィクションの話だと思っていたが、実際この医者であればやりかねない。

「なんだか妙な想像をされている気がするけど話を戻すね?」

天然の心理掌握持ちはそう言って、崩していた雰囲気を改めた。

「僕が君たちに謝らないといけないと言ったのは、彼女と親しかった君たちをドリーを送る場に立ち合わせてあげられなかった事だ。僕がドリーの事をちゃんと調べて君たちに引き合わせてあげられていたら、きっと、大覇聖祭の事件は起こらなかっただろう?すまなかった…」

確かに、カエル顔の医者の言う通り、自分もドリーを送る場にいられたらという思いが湧き上がらなかった言えば嘘になる。デモデモ、そうするときっと今の結果は得られていないに違いなく、同じ結論に至ったであろう操祈ちゃんが先に口を開いた。

「それは違うわぁ。もし、私と看取さんがここであの子に謝ってそれで終わってしまっていたら、私が幻生の頭の中の陰謀力を覗く機会が生まれなかったかもしれないんですもの。そうなったら、私たちはこうして一緒にはいられなかったわぁ……」
「セキニン、感じちゃってるのかもしれないけど、たとえそうなっていたとしても、私が学園都市にカチコミかけてたのは変わらなかったわよ」
「そうなると、私も共犯力を発揮してたかもねぇ……」
「そうか……。そう言ってもらえると少しは自分の行いが赦された気がするね?ありがとう」

そう言って頭を下げるカエル顔の医者の姿に、私は初めて年相応の弱々しさを見た気がした。そして彼は、“蛇足になるかもしれないが”と遠慮がちに言葉を紡ごうとし、しかし、それを操祈ちゃんが遮った。

ドッペルゲンガーの事……、かしらぁ?」
「そうだね?」

私は操祈ちゃん程にはあの一件に深入りはしていなかったが、事の顛末は聞いていた。だから、その名前が出た時点でカエル顔の医者の言いたい事には察しが付いた。

「言いたい事は何となくわかるけど、それはご想像にお任せするわぁ」
「うん、野暮な事を言うところだったね?」

実際のところ、ドッペルゲンガーの顛末を聞くまでもなく、たとえ記憶と経験を共有していたとしても完全に同一人物とは言えない事を私たちはわかっていたハズだった。とある施設で眠っているドリーを助け出した時、彼女は最初から“わたしたち”と言っていたし、私と操祈ちゃんも”妹はドリー本人じゃない“と了承していた。でも、完全に別人と割り切るのはあまりにもその在り方が思い出と酷似していて、今日この時までズルズルと区切りが引き伸ばしになってしまっていた。

「むー……、なんだかおいてきぼりにされてるきがする…」
「ゴメンゴメン、でも、ドリーが一番よくわかってるわよ?」
「そうねぇ、あの子の事、こんなに真剣に考えてくれたから、私たちもここに来られたんだゾ」
「うん。……ありがとう。また、さんにんでいっしょにくるからね」

私たちはドリーの言葉に頷き合い、霊園を後にした。完全に同じではないけれど、全くの別人でもない。その思いに囚われるのはきっと今日でお終いで、私たちはきっと、こうして新しいやくそくを積み重ねていけると、そう思えたーーー。[newpage]
「ーーーあれからしばらく経つけど、まだ怖い夢は見るのかな?」
「うん、ときどき」
「そうか……」
「でもね、ゆめのことみーちゃんとみさきちゃんにもおはなしすることにしたの」
「そうか。二人が何て言っていたか、聞いても良いかな?」
「うん、やっぱりすごくしんぱいされたんだけど“あのこのこと、はなしてくれてありがとう”って。それにね……」

それに、”きれいなイルカさんをみせてくれてありがとう“って、あのこがそういってくれたゆめをみました。

 

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