三ツ矢サイダー酢橘(酢橘の蜂蜜漬け)
幸水梨のコンポート
マグロカマの煮付け
つくね
かぼすと生姜の蜂蜜漬け
水抜きヨーグルトのケーキ
懐かしの鶏はむwith食べるラー油
鶏はむのスープ
鶏はむのスープカレー
羽根付き餃子
・あらすじ
重力制御装置"ケイバーライト"の開発により、栄華を極めていたアルビニオン王国。しかし、革命によって共和国と王国とに分断された事により壁が築かれた首都ロンドンは、各国のスパイがひしめく影の戦争の最前線となっていた。王国領に属する名門校クイーンズ・メイフェア校に通う5人の少女達は、身分を偽り、共和国の諜報組織"コントロール"のスパイとして暗躍する。
#02「case1 Dancy Conspiracy」
共和国のスパイ"アンジェ"は、自身を王国のプリンセスと入れ替えるチェンジリング作戦のために、王位継承第四位"シャーロット"に接触する。作戦の最中、別命を受けた彼女だったが、接触したプリンセスからある取引を持ち掛けられる。
アンジェとプリンセスが、チェンジリング作戦の立案以前から旧知の仲であった事が明かされる、回想を除いた時系列の最初のエピソード。再会時の二人の会話のやりとりは、初見時では初対面を装うやりとりでしかないが、「case20」を視聴した後に改めて観返す事で、劇中でも屈指の名場面に変貌する。
#03「case2 Vice Voice」
取引によりコントロールに加わる事となった、シャーロットとその侍女であり友人のベアトリス。彼女達の元に、空輸される活版を奪取するよう指令が下る。姫の手引きでセキュリティが解除され、アンジェと共に船内に侵入するベアトリスだったが、彼女への不信感を拭えないまま任務に臨み…?
第1話で披露されたベアトリスの変声術の正体が明かされ、彼女達の背景にも只ならぬ事情がある事が突きつけられた。スパイ任務では、通信網を抑え、船内の状況やターゲットの所在を把握する手腕が見事。また、敵軍人とのカマの掛け合いは非常にスリリングで、対峙する一般兵ですらこの作品では一筋縄ではいかない。
#05「case7 Bullet Blade's Ballad」
日本からの外交特使を出迎えるシャーロット達の前に、特使暗殺を察知した佐賀藩士族の少女"ちせ"が現れる。暗殺者の名は藤堂十兵衞。移動中の列車を爆破、分断して強襲してきた彼を、ちせ達は迎え撃つが…。
異国の暗殺者"ちせ"による殺陣アクション回。作画はほぼ全てを江畑諒真氏が担当したという驚異の一話。彼女の生い立ちや背景は、やはりベアト同様に多くは語られないが、ちせ加入までのシナリオ進行とキャラ紹介の匙加減が絶妙と言わざるを得ない。ラストの「痛いの痛いの飛んでけー…」が辛過ぎる…。
#04「case9 Roaming Pigeons」
訓練と任務を重ねながら親交を深めて行く五人。しかし、プリンセスへの不信感を拭えないコントロール司令"L"は、ドロシーに対して彼女の二重スパイの可能性を探る密命を下す。そんな中、王国が無重力発生装置の小型化に成功したという情報が入り…。
プリンセスと王室との関係の一端が描写され、彼女を気遣う女王に対し、政略結婚を目論むノルマンディ公の存在から、王室が決して一枚岩ではない事が示唆された。任務ではドロシーのカーアクションが見所。そして、アンジェの残した「ダメ、歯止めが効かなくなる」という名言(?)は、多くの紳士淑女の妄想を掻き立てた。
#09「case11 Pell-mell Duel」
ちせが留学して四ヶ月、彼女は慣れない西洋文化と葛藤しながら、王国と共和国、どちらが日本の利となるかの見聞役の命を受けながらコントロールに身を置いていた。ある日、貴族の男子から祖国を侮辱されたちせは、プリンセスの後押しで彼と決闘する事になる。
放送順では後半の箸休め&コメディ回だが、時系列順に並べても、キャラやシナリオの確認、前半の総括的な位置付けの話である事が分かる。こうして打ち解けていったと思う一方、腹の探り合いは続いているのだろうか?スパイアニメのハズだが、当時の決闘のルールや使用武器、介添人や立会人の役割等が詳細に描写された。きんつばに魅了されるちせ。ちせ、可愛いよ、ちせ。
#01「case13 Wired Liar」
共和国への亡命を求めるケイバーライト研究者"エリック"の身柄を保護したアンジェ達のチームは、彼から亡命理由を聞く中で、妹も一緒に亡命させてくれるよう依頼を受ける。事実の裏付けを行う為に調査を行うアンジェ達だが、その末に彼の真意が明らかになる。
放送順では第一話だが、時系列的にはほぼ中間に当たる話。冒頭からハッタリの効いたアクションで魅せてくれる。また、スパイチームのそれぞれが役割に手慣れてきている事で、ストレス無く物語を観る事が出来る。主人公が敵諜報員の首に注射器を突き立てたり射殺したりと、初回から見た目に騙されていた事に気付いた視聴者は多いハズ。
#07「case16 Loudly Laundry」
神経ガスを用いた共和国要人の暗殺が"毒ガスジャック"として世間を震撼させていた。犯人が王国軍の軍服を着て犯行に及んでいた事から、アンジェ達は軍御用達の洗濯工場に潜入し、証拠品探しを始める。しかし、どうにも設備の調子がおかしくて…?
放送順での前話に打ちのめされた視聴者に向けた(?)スパイとしての日常回。同時に、プリンセスにとっての改革を小さな規模で描いた、という見方が議論されている。毒ガスでの凄惨な死体の描写をベアトのリアクションで表現したり、アンジェがプリンセスを文字通りお姫様抱っこでお持ち帰りしたりと、キャラ描写も色々と抜かりない。
#06「case18 Rouge Morgue」
機密文書を体内に隠したまま死亡した諜報員がモルグの死体安置所に運ばれてくる…。適任としてコントロールより使令を受けたドロシーとベアト。潜入先で父親と再会したドロシーだったが、モルグには、踏み入れた者の半数が生きて帰れないという不吉な噂があり…。
ベアト、ちせに続く、ドロシーと父親との関係を描いたエピソード。アルコール依存からのDV描写が容赦無い。…が、それ以上に、陽気な音楽と合唱をバックに描かれるラストが本当に容赦無く、数多の視聴者の心を抉った。ベアトが居なければ雰囲気が重過ぎる回だが、あのラストの悲壮さもベアト抜きでは成立しない皮肉。
#08「case20 Ripper Dipper」
不穏な動きを見せるオライリー卿の密会相手を探る為、彼を監視する事になったアンジェ達。プリンセスの無茶振りにより、監視任務に加えて彼女の替え玉を務める事になったアンジェは、任務の最中親しくなったスリの少女に、黒蜥蜴星の王女とスリの物語を語り聞かせる。
「case01」から劇中で描写されていた、"チェンジリング作戦以前より、アンジェとシャーロットは入れ替わっていた"という二人の秘密、その真相が明かされる回想編。シナリオのベースはおそらく、アメリカの児童文学『王子と乞食』。本物のアンジェ=現プリンセスの体験した地獄、そして、アンジェとシャーロットの絆は、どちらも、とても言葉では言い表すことが出来ない。
#10「case22 Comfort Comrade」
クリスマスの夜、アンジェ達に海軍卿の居城から機密文書を奪取する指令が下る。城内へと侵入したアンジェ達を出迎えた協力者は、かつてスパイ養成所で同期だった"委員長"。久し振りの再開で話に花を咲かせる彼女達だったが、委員長にはある疑惑があり…?
再び巡ってきた過酷なドロシー回。…であると同時に、苛烈な百合回としての側面も持つように思われる。様々な表情を見せるベアトがあまりにも可愛いが、物語の非情さはそれでカバー出来るレベルを超えており、ラストシーンの衝撃がそれに拍車を掛けた。ちなみに、委員長を演じた大橋彩香さんは、3㎐の前作『フリップフラッパーズ』において、メインキャラ"ヤヤカ"を演じている。幼馴染の少女を気に掛けながらベコニアを育む…と言えば、ピンとくる方はくるのでは?
#11「case23 Humble Double」
コントロールの実権を軍部が握り、不確定要素を排除すべくプリンセスの暗殺命令が下される。自らその任を引き受けたアンジェだが、状況を打破する術を見付ける事が出来ず、監視の目を欺いてプリンセスをカサブランカへと逃がそうとするが…。
前話の引きから続く、プリンセス暗殺命令が実行に移される極限状態の中、冷静を装い周囲の状況を確認していくアンジェ。アンジェとプリンセスのタッグにかかれば、訓練された諜報員が束になってもまるで敵わない、が…組織を相手にするという非情な現実の前に、遂に黒蜥蜴星人が弱みを見せてしまう…。実は、チェンジリング作戦により、11話、12話は脚本家が大河内氏から変わっている。
#12「case24 Fall of the Wall」
あの時交わした、約束の為に…。
以上、12話。
まず前提として、自分はこの映画、完全に初見というわけではなく、10年以上前になりますが原作ドラマの映画版を見てます。なので、ややうろ覚えではありましたが物語の大筋の内容は知っている状態での鑑賞です。したがって自分は、余計な事を考えながら観る余裕があったんじゃないかと思います。
・あらすじ
夏休みの登校日、プール掃除当番だった典道と祐介は、密かに想いを寄せるクラスメートのなずなと一緒に50m競泳で勝負をする事になる。「私が勝ったら何でもいう事聞くこと」そんな条件を出したなずな。なずなは勝負に勝った祐介を花火大会に誘うが彼は約束をすっぽかしてしまう。一方、そんななずなと鉢合わせた典道は、彼女が母親に無理矢理連れ戻される姿を目撃するが、これを制止する事が出来ず祐介に怒りをぶつける。
「もし、あの時俺が勝負に勝っていたら…」
典道がなずなの残したガラス玉に願いを掛けた時、世界の情景が巻き戻っていく…。
・原作ドラマとの差異について
所々描写に差異はありますが、原作の雰囲気を結構忠実に再現しているのではないかと思います。キャラデザについて「ガハラさんみたい」って巷では言われてますが、ここで重要なのは二人の身長差です。原作から分かりやすいくらい狙ってる設定なんですけど、女の子の方が成熟が早くて背が高いんですよね。これが重要であって、顔立ちとかは本作の本質にとっては二の次です。また、原作のなずなの雰囲気について、自分はある種のポルノビデオのような演出がされているのではないかと思ってます。小学生が男女二人っきりで夜の学校のプールに忍び込んでスク水で泳ぐ、この字面からしてちょっとヤバい雰囲気がありますが、実際、健全な映像を撮ろうという意図は個人的には感じられなかったです。現在ではそんな企画は通らないんじゃないかと思います。そして、未成熟で無防備であるが故の色気みたいなモノはアニメでも典道というフィルターを通して表現されていたと思います。ただ、アニメの方が生々しさが無いので、ある意味でマイルドな表現になってる気がします。そして、主演二人の演技については棒読みでも何でもなかったと思います。キャラデザと声質は一致してましたし、舌ったらずな幼さも、辿々しい幼さも、どっちもキャラクターに合致してました。抑揚が変だったり演技に感情が乗ってなければ棒読みですが、別にそんな印象は受けませんでした。あと、男子四バカが想い人を叫ぶシーン、原作だと眼鏡君は「セーラームーン」って叫ぶんですけど、ここは変えて欲しくなかったかな?
・本作はタイムリープを題材にしているのか
本作のキャッチコピーは「繰り返される夏の日、何度でも君に恋をする」となっており、いかにも『時をかける少女』で描かれたようなタイムリープを連想させます。しかし、劇中の描写はそうではありません。上記では、世界の情景が巻き戻ると表現しましたが、実際には二人は同じ世界を繰り返していたわけではなく、現実とは物理法則が異なる世界を過ごしています。それは、劇中で描かれた花火の描写から明らかです。本来、花火は爆発地点から同心円状に広がる、つまり球体になるモノですが、やり直した世界で横から見た花火は円状に広がっていました。典道はこの世界は間違っていると言い、もしも玉を使って再び選択をやり直します。同時に、典道にとってなずなと一緒に居られない世界とは物理法則が歪んでいる位には有り得ない世界である、というメタファとしての意味合いもあると思います。いずれにせよ、劇中の描写はタイムリープではなく並行世界への二人のささやかな逃避行です。
・もしも玉とは
典道が願いを掛けて投げる事で選択をやり直す事が出来るモノ。なずなが偶然海で拾ったそのガラス玉は、回想からなずなの亡くなった父親の所有物であったことが示唆されていますが、誰が何の為に作ったのか等、詳細は一切明かされません。唯一これに言及したのは酔い潰れたマダオこと花火師のおっちゃんです。彼は、これを花火玉だと言って空に打ち上げますが、これはそのままの意味で受け取っても良いのではないかと思います。もしも玉が打ち上げられ砕け散るまで、二人はそれがどのような色形になるか分からない世界で逃避行を続けていました。クライマックスで二人が訪れた世界はドーム状のガラスに覆われた世界であり、もしも玉が砕け散るのと同時に世界を覆うドームもまた砕け散っていきます。自分はこの世界をもしも玉の中にある箱庭だと解釈しました。箱庭の世界で何かを得て現実の世界に帰っていく…、プレイセラピーみたいですね。
・ラストシーンについて
さて、子供にとっての引っ越しとはこれまでの関係性が崩壊する一大事です。大事な人に一生会えないんじゃないか、そんな予感すら抱くかもしれません。簡単には会いに行けないし連絡だって取れない。劇中には携帯電話の描写だって無かったですしね。そういった危機的状況に後押しされ二人は逃避行に出るわけですが、その果てで、砕け散ったもしも玉の中からあるポートレートを見付けます。典道がなずなの手を握るこのカットは、これまでの思い出にはないモノであり、二人が現実の世界で手に取ることができる"もしも"の可能性です。この場面こそが描かれなかったラストカットだと思います。東京デートのポートレートだって色々あったわけですが、これを選んでしまうと想像の余地が消えてしまうんです。先生が点呼を取る中、教室に居ない典道というラストシーン。学校をサボって新学期の初日に彼女の出発を見送ったのか、はたまた、こらはもう少し先の未来でこっそり遊びに来た彼女を出迎えに行ったのか、実際にどうであったかは観客に委ねられていますが、想像すればするほど甘酸っぱいラストです。
・総括
最後に自分が考えた物語全体の解釈を書きます。なずなにとって引っ越しとは大事な人と引き離される一大事であり、典道にとってもそれは同様でそれを回避する為に彼は奮闘しました。しかし、それはどこまで行っても一時的なモノであり並行世界への逃避に過ぎなかったと思います。上記ではその並行世界を箱庭と称しました。やや端折った解説をすると、今作において二人はその箱庭の世界の中に自分達にとってこうであったら良いな、という景色を作ることを模索したのだと思います。その試みは途中まで、もしもあの時ああしていたら、という過去に向けた感情でした。しかし、もしも玉が砕けてしまった時、二人は未来のことを想像します。東京まで行って、プリクラを撮って、水族館へ行って、遊園地へ行って…、そしてその中に自分がラストカットだと予想した直近の未来を想像出来たのだと思います。過去に向けていた"もしもああだったら"という感情が、未来に向けた"もしもああなれたら"という感情に昇華した。もしも玉が砕けた時、心象が過去から未来へ、世界が並行から現実へ、それぞれ転換しています。もし、この解釈が許容されるのであれば、やはりラストカットはああして想像に委ねる形で良いのではないかと思います。
前回の記事はコチラ
http://ker-cs.hatenablog.com/entry/2017/08/10/075212
『パプリカ』
「続きはどうするんだよ!!」
同じ夢に繰り返し魘される乾刑事は、パプリカと呼ばれるセラピストに、夢を共有する機械"DCミニ"を用いたカウンセリングを受けていた。ある日、研究所からDCミニが盗まれ、人々の夢が侵食されて行く…。
原作:井筒康隆、監督:今敏。夢と現実が入り混じる、監督の代表的な手法とも言える作風で、数々の賞を受賞した。師匠こと平沢進の楽曲に合わせたOPから非常に引き込まれる。全体的に作画クオリティは非常に高いが、中でも、パレードシーンの作画カロリーは、素人目にも常軌を逸している。
『宇宙ショーへようこそ』
夏休みの合宿で小学校に泊まり込む事になった夏紀達は、逃げ出した兎を探す中、怪我をした犬のような姿をした宇宙人と出会う。彼女らは介抱の御礼に、月面都市で開かれる宇宙ショーに招待されるが、ある理由で地球に帰れなくなってしまう。
原作:ベサムーチョ、監督:舛成孝二。『かみちゅ』スタッフが集結して制作したオリジナル劇場アニメ。月の重力下では身体能力が上がりヒーローになれるという設定は、『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』を彷彿とさせる。子供にも勧められる内容だが、漫画版はえっちぃらしく現在入手困難。なぜに『バーコードファイター』の作者に依頼したのか…?
『紅殻のパンドラ』クレイドル編
パーティ会場で知り合った老紳士にお茶会に誘われた福音とクラリオン。電脳空間テラリウムの中で、数年振りに味わった甘さに福音が感嘆する中、二人は話題に登った彼の愛娘を紹介される。しかし、案内された先で二人が出会ったのは、生命維持装置に繋がれた脳殻だった…。
原作:士郎正宗、漫画:六道紳士(現在は春夏秋冬鈴が作画担当)。以前百合(ガイノイド萌え)作品として紹介した攻殻機動隊外伝。全身義体故に甘いという感覚すら得られない福音、生命の定義とは何か、意思を発しない残された脳殻だけで彼女は生きていると言えるのか等、物語の根幹に関わる一編。
『PSYCHO-PASS』
シビュラシステムにより国家が監視され、人々の心理状態がPSYCHO-PASSとして判定される近未来。中でも犯罪係数が一定値を超えた場合、その人物は潜在犯と看做され、公安局刑事課の刑事達に狩られる立場となっていた。
総監督は劇場版『踊る大捜査線』でお馴染みの本広克行、監督は『BLOOD+』第3クールOPを手掛けた塩谷直義。本作2クールOPにその片鱗が伺える。本作は近未来を描くSF作品でありながら、往年の刑事ドラマの雰囲気を併せ持つ。とっつぁんこと征陸刑事のモデルは、踊るシリーズの和久さんだろう。
『ゼーガペイン』
廃部寸前に追い込まれた水泳部を立て直すため、日々、部員勧誘に余念の無いキョウ。彼は、転校生シズノ先輩にPRビデオの出演を依頼し、これを了承されるが、同時に荒廃したゲームの世界へと誘われる。彼は、シズノと共にアルティールを操り、次々と任務をこなしていくが…。
監督:下田正美、サンライズ制作のオリジナルロボットアニメ。最初の数話は、同じ様な展開を繰り返しながら、伏線を小出しにしていく非常にスロースタートな構成であり、4話で躓く人も多いかもしれない。巷では、「ゼーガは6話まで観て」と言われているらしいが、個人的には7話を観て判断して欲しい。
『ソードアートオンラインII 』マザーズロザリオ編
SAOから帰還したキリトやアスナ達が、ALOの世界を謳歌する中、辻デュエルを行う超強豪剣士"絶剣"が現れる。剣を交えたアスナは彼女からギルドに誘われ、1パーティでのフロアボス攻略の助太刀を依頼される。しかし、それには思いも寄らない理由があった。
原作:川原礫、監督:伊藤智彦。VR技術の医療転用、及び、終末期医療での運用を主軸としたSAOシリーズの一編。放送当時、お涙頂戴等と揶揄する感想も見られたが、VR技術の方向性としては、将来的に実現し得る技術であると個人的には思うし、いつか誰かが直面し得る問題だと思う。ただ、ユウキのCVに悠木碧を当てて泣かせるのは卑怯。
『BLOOD+』
一年前以前の記憶を無くしながら、血の繋がらない家族に囲まれ沖縄で幸せに暮らす小夜。ある晩、忘れ物を取りに学校に戻った彼女は、人を喰らう化物に遭遇し、謎のチェロ弾きの青年に助けられる。しかし、彼に血を与えられた事で小夜は豹変してしまう。
監督:藤咲淳一、制作:Production I.G。「セーラー服の少女が異形の化物を刀で斬り殺して行く」という『BLOOD THE LAST VAMPIRE』と同様のコンセプトを持つが、世界観やキャラクターは一新されている。一夜の惨劇であった劇場版とは異なり、本作は長い歴史と群像劇を描いた。
『planetarian 〜星の人〜』
地球全土を巻き込んだ戦争の為、星も月も、太陽すらも見えない程に大気が汚染され荒廃した近未来。プラネタリウムの投影機と共に世界を旅する老人が、身を寄せた集落での少年少女達との出会いをきっかけに、星の思い出を回想する。
原作:key、監督:津田尚克。2004年に発売されたキネティックノベル『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』、その同名webアニメに小説版収録作『星の人』のエピソードを加え、再構成された劇場版。ロボット工学三原則等、プログラムに従った行動にも関わらず、それが心を揺さぶるのは何故なのか…。
『新世紀エヴァンゲリオン』
40億年前の地球。遥か宇宙より白き月が落ち、アダムは使徒を生み出した。しかし、直後に黒き月が落ちた事で使徒たちは眠りに就き、共に飛来したリリスより群体の生命が生み出され、長い年月の後に人類が地球を支配する。そして、時に2015年、両者の生存競争が始まった。
原作:GAINAX、監督:庵野秀明。シナリオや設定には、聖書や心理学が多数引用され、上記設定も劇中では殆ど触れられない等、多くの謎が議論されている。主人公シンジの内面のみを描写した最終話は物議を醸し、その際、現実では何が起きていたのかについては、後の劇場版の公開を待つ事となった。
『THE END OF EVANGELION』
全ての使徒を殲滅したネルフ。しかし、代償として親友をその手に掛けたシンジは、生きる希望を見失ってしまう。多くの犠牲を払った戦いは、人類の勝利かと思われたが、ゼーレに支配された戦略自衛隊によりネルフ本部が強襲される。本当の最後の使徒、リリンとの戦いが始まった。
『新世紀エヴァンゲリオン』完結編。テレビシリーズ最終話のシンジの葛藤の裏、実際の人類補完計画がどのようなモノであったかが描かれた。凄惨であったり精神的にキツい場面もあり、視聴には覚悟が必要。その結末と解釈を巡り、やはり様々な議論が交わされた他、アフターSSは星の数ほど存在する。
以上、10作品。
前回の記事はコチラ
http://ker-cs.hatenablog.com/entry/2016/07/01/183657
『攻殻機動隊(原作)』
公安所属の荒巻は、亡命の取引現場で、少佐と呼ばれる女性による要人暗殺を目撃する。彼女を公安に引き込みたい荒巻だが、再三のスカウトは軽くあしらわれてしまう。一方少佐は、自身の部隊を率いて政府の洗脳施設への突入を決行する。
原作:士郎正宗。ヤングマガジン海賊版にて連載されていた。1989年発表にも関わらず、現在に至るまでメディアミックス作品が発表され続けている。そして、その世界観は全く時代遅れになっていない。欄外の解説、コラムの分量が凄まじく、参考文献として医学書までお薦めされる。クールビューティな少佐をイメージすると度肝を抜かれるかも?
『カミヤドリ』『神宿りのナギ』
カミヤドリと呼ばれる、感染者を異形の怪物へと変質させるウイルスが蔓延する世界。発症者を助ける術はなく、対カミヤドリ部隊「特捜」において、カミヤドリと共生した戦闘のスペシャリスト「右腕」が、元人間に銃を向け彼らを始末していく。
『僕だけがいない街』で一躍有名になった、三部けいによるSFアクション作品。月刊少年エース、エースアサルトにて連載されていた。物語途中で一時連載が中断していたが、『神宿りのナギ』とタイトルを改め連載再開し完結した。バイオハザードな世界観だが、カミヤドリの描かれ方や劇中の人々の価値観には、ある種の宗教性を思わせる。「コロソウ/殺そう」
『銃夢』
空中都市ザレムの真下に形成されたクズ鉄町で、義体化手術を行い生計を立てるイドは、スクラップの山の中で義体化された少女の上半身を掘り起こす。記憶喪失の彼女に義体を与え、共に生活を始めたイドだったが、彼には医者とは違う裏の顔があった。
原作:木城ゆきと。続編『銃夢LastOrder』を経て、現在は最終章『銃夢火星戦記』が連載されている。かつては集英社のビジネスジャンプで連載されていたが、現在は講談社のイブニングに移籍している。緻密なサイバーパンク描写や、人間の本質とは何かを問うストーリーが魅力的。一方で、グロテスクな描写も多々あり、少なくとも内臓や脳髄が飛び散る描写に耐性の無い人にはお勧めできない。
『Coo 遠い海から来たクー』
南太平洋フィジー諸島へと移住した、海洋生物学者の徹郎と息子の洋介は、嵐の日の翌朝に珊瑚の海の中で見た事も無い生物を発見する。その生態を観察するうち、二人はそれがプレシオサウルスの生き残りではないかと考えるが…。
原作:景山民夫、監督:今沢哲男、脚本:岡本喜八。同名小説の劇場版アニメであり、全編を通して非常に高いクオリティのアニメーションが描かれるが、現在に至るまでDVD、BDでの販売や配信が無く、視聴手段がビデオパッケージや金曜ロードショーの録画のみという、正に隠された名作。冒頭のプレシオサウルスの遺骸が忘れられない…。
『ARMS』
高校生活を送る高槻涼の前に、転校生・新宮隼人が現れ、その日常は脆くも崩れ去る。左腕を異形の兵器へと変化させ襲いかかってくる隼人を前にし、自身の右腕も同様の兵器である事を知った涼。やがて、自らの驚愕の出生の秘密が明らかになる。
原作:皆川亮二、原案協力:七月鏡一。週刊少年サンデーにて連載され、また、『PROJECT ARMS』というタイトルでアニメ化もされた。物語やキャラクター名のモチーフとして『不思議の国のアリス』が用いられ、正に、主人公達が迷い込んだ世界から日常へと帰還する為に戦う事が、全体を通したテーマにもなっている。
『AIの遺電子』
人工知能を搭載したヒューマノイドが人権を獲得し、社会で人間と共存する近未来。開業医須藤は、非合法な依頼も引き受ける闇医者"モッガディート"という裏の顔を持っていた。様々な理由で彼の元を訪れるヒューマノイド達の喜悲交交を描く。
原作:山田胡瓜。週刊少年チャンピオンにて連載中。作者は元ITmedia記者で、社会人を続けながら四季大賞を受賞。ITmediaでの『バイナリ畑でつかまえて』の連載を経て現在に至る。近未来のヒューマノイドと人間を描く1話完結の短編集であり、ざっくり言えば近未来版ブラックジャック。AIブームの現在、色々と考えさせられる。
『ひとりぼっちの地球侵略』
喫茶店を営む祖父と暮らす岬一は、高校に入学した直後に仮面を被った少女に追い回される。悪戯や奇行を繰り返す事で有名な彼女は、一つ上の先輩大鳥希。彼女はかつて、瀕死の岬一に自身の心臓を与え、生かしたと言うのだが…。
原作:小川麻衣子。ゲッサンにて連載中。地球を侵略しに宇宙からやってきた希と、彼女に協力する事になった岬一の波乱に満ちた侵略生活を描く。しかし、岬一が希に翻弄されリードされてしまうのは、彼女が宇宙人だからではなく、彼女が一つ上の女の子の先輩だから、という観点を強く主張したい。
『ドラえもん のび太と鉄人兵団』
北極から謎の球体型メカを持ち帰ったのび太の元に、巨大なロボットのパーツが次々と転送されてくる。のび太はドラえもんと協力し、鏡面世界でこれらを組み立てるが、起動したロボットは一瞬でビル群を焼き払う兵器だった…。
原作:藤子・F・不二雄。大長編ドラえもん第7作目。歴史改変を扱った作品の中では、本作は特に著名なのではないかと思う。大長編ドラえもんにおいては、タイムマシンは大抵何らかの使用制限が課されているが、本作はその禁じ手を敢えてメインに据えた。その結末の是非については議論が分かれるのではないかと思う。
『ジーンダイバー』
絶滅した生物の遺伝子を採取する為、過去の地球を再現した仮想現実にダイブした唯は、システムの暴走により、生物が異なる進化を遂げた別の仮想現実に飛ばされる。そこでは齧歯類から進化したプグラシュティクが生物の頂点に立ち、人類の抹殺を目論んでいた。
監督:古川政美。天才てれびくん内で放送されていたバーチャル3部作第2弾。あまりにガチ過ぎるSF考証の為に、当時の視聴者層で内容を把握出来た人は存在しないかもしれない。タイムブースター超カッコ良い。しかし、時間の流れを遅くする事で、空気に粘性が生じて呼吸不可能になる等、やはり設定は詳細に決められている。
『ガールズ&パンツァー』
華道や茶道と並び、戦車道が大和撫子のたしなみとされている世界。ある理由により戦車道の道を退き、名門黒森峰から大洗学園艦へと転入してきた西住みほ。彼女は、生徒会の圧力により、再び戦車道の世界で全国優勝を目指す事になる。
監督:水島努。第47回星雲賞メディア部門(劇場版)他、数々の賞を受賞した。本作の戦車戦は、戦車に施された特殊加工や使用する弾丸の規定等により、基本的に人死にが出る事はない。また、スポーツマンシップに則り試合は進められるが、その実態はスポ根ではなく、高度な戦略性や先読みが要求される、チェスのようなボードゲームに近いと思う。
以上、10作品。