全話脚本を兼任している佐伯監督のインタビューはコチラより、おでここっつん
本編はコチラより
アサルトリリィBOUQUET
毎話公式タグが異なっていて自分の感想、考察?というか覚え書きを読み返すのが手間なのでここにまとめます。随時追加していきます。
最終話まで書きましたが何か気付いたり考えたりした事があれば都度追記しています。
各話ジャンプ
学園の所属が文科省ではなくおそらく防衛省、要塞としての地形、お姉様っぽい慣わし、除染設備がある事から敵に汚染される危険がある事etc...etc...等の設定が読み取れる。
夢結お姉様のバディ?ルームメイト?の銀髪のボクっ娘は、既に故人で亡霊か幻影のような雰囲気を醸し出してる。公式サイトのキャラ紹介にもいない。赤髪の子がピンクに「いーっ!!」ってやるの洲崎綾(仮)っぽくて佐伯監督好きだねぇって思ったけど、洲崎さんの役は別の子。また、監督はやはり女の子が意中の女の子に密着して肩に少し体重を預けて独占欲をアピールしつつ、顔だけ振り向いて恋敵の相手を「いーっ!!」とか「べーっ!!」とか子供っぽく威嚇するという行為が好きなんじゃないかなとほぼ確信。
2話「スズラン」
学園が防衛省の所属ってのは1話で開示されてたけど、具体的には陸海空のうち陸に属してる?チャームの名称はどれも北欧神話由来。そのうち天叢雲剣とか出て来る?
「工廠(こうしょう)とは、軍隊直属の軍需工場のことで、武器・弾薬をはじめとする軍需品を開発・製造・修理・貯蔵・支給するための施設。 造兵廠とも呼ばれる。 英語ではArsenalというが、これは兵器庫のことも指す。」
工廠 - Wikipedia
楓さんのお風呂での犬かき、おそらく2話でのじゃロリに「犬かお主は」って言われてたのが布石になっている。
戦闘シーン、ヒュージの外殻に刺さったリリィから奪われたチャームがさらに外郭に覆われており、夢結様がそれに斬撃を当てた事で気付いて敵の攻撃を利用して爆破し外殻を吹き飛ばし、その惨状を目の当たりにした事で暴走という流れ。
2話で頑なに伏せてた百由様まで夢結様より先に口を割っちゃったのが違和感があったが、シュッツエンゲルの契約書の内容が教会で交わす結婚の誓いそのものであり、これを交わした上で夢結様がシルトに身の上を黙っていたからではないか、という考察を見掛けた。僕っ娘のお姉様はやはり故人。しかし、まさか夢結様に本物のルームメイトがいるとは思わなかった。
ヒュージがマギに犯された生物の成れの果てと判明。1話でヒュージ戦の後に夢結様と梨璃が隔離、除染されていた理由がこれに当たると思われる。つまり、リリィもマギに侵されるという事であり、下手をすればヒュージ化する可能性もある?
監督、女の子が女の子の胸に飛び込んでクッションになるシチュエーションも好きなのかもしれない…。クッションにならなくて「あいたっ!」ってなる作品もあるけど…。
雨嘉の制服(?)のミニスカートのスリット。両サイドこうならチャイナ服のミニスカートって事で説明付くけど片側だけだし、スリットどうしてこんな事になっちゃったの!?って感じですが、攻殻の少佐が正装の軍服で戦闘態勢に入る時にタイトスカートの片側だけ破って足の可動域確保するのと同じ理屈だと自分を納得させました。
訓練弾を用いた雨嘉と神琳の戦闘シーン、最後にカウンターで返ってきた一発を雨嘉が切って二つに別れた弾丸は、背後の山肌に当たって煙が上がっている。訓練弾とは…。
他、あの婚姻届の印鑑って指輪で捺してたんだとか、のじゃロリ字雑いとか、台北が既にヒュージに陥落させられてるとか、猫好き繋がりが次の伏線っぽいなとか色々。
誕生日に一緒にいられなかったと落ち込んでた梨璃が、夢結様が本当は一日中自分の事を想ってくれてた事を察してそれを伝えるのを「葡萄畑の匂いがします…」の一言で表現するのが凄い詩的。周囲のリアクションも引っくるめて、ハグのやりとりが「幸せにする!!今する!!」感がある。また、夢結様が梨璃の故郷を訪れた=梨璃の事を知ろうとしてくれた、という事だろうと捉えられるので、これは2話の「夢結様の事を知りたい」という梨璃の言葉へのアンサーだと思う。お互いにお互いを知りたい。
「故郷を守りたい気持ち、わかるよ」という4話での梨璃と雨嘉のやりとりが回収される。梨璃の故郷はヒュージに侵略されて立入禁止区域になっていた。駄菓子屋に通っていた子どもというのは梨璃本人かもしれない。
夢結様がお出掛けする時に実は自販機がしっかり映っている。
4話で百由様が使っていたタブレット端末だが、梨璃は二水ちゃんが持ってきたそれを見た事も無い、大企業令嬢の楓は「昔はみんな持っていた」とそれぞれ言っている。ヒュージのせいで文明が退化したのかとも考えたが、理事長代行と百由様のシーンも二水ちゃんが梨璃のパーソナルデータを映したシーンも空中に映像を立体投影しており、現行の技術よりも上であるとわかる。一方で、登場人物は皆ガラケー持ちとアンバランスで、ヒュージの出現が通信に何らかの影響を与えているのかもしれない。
百由様の部屋番号が35、グロッピが36なのでお隣さん?工廠科は普通科と違って工房を兼ねる為か二人部屋ではなく個室。
6話「スミレ」
ルナティックトランサーの戦闘シーン、アニメ的には今後も観たいような…痛々しくて観たくないような…。今回BGMがエグくて5話と完全に別アニメ。梨璃がヒュージの拘束からいつ抜け出したのかについては、よく見ると拘束時に画面左下に梅様が一瞬映っている。「ルナティックトランサーを発動したらどんな事をしてでも止めます。たとえ刺してでも」という梨璃が夢結様を刺し殺して終わりそうな台詞が…。エンディングと符合して非常に怖い。佐伯監督、それが必然ならハッピーエンドは描かないから…。
1話でチラッと出た汚染の件が3話に続き更に開示され、美鈴様によれば“リリィはヒュージ化しながら心を保った人間”を指すという。つまり、ルナティックトランサー発動で憎しみ以外を失っている状態は、まさしく夢結様の言う通り「ヒュージと変わらない」と言える。夢結様は3話で吹っ切ったわけではなく、きっかけがあれば今でも暴走する状態にあり、4話でギャグっぽく、5話でポンコツっぽくなったのは実際には情緒不安定なだけなのかもしれない。ただ「私に愛して欲しいだなんて」ではなく「私に愛されるのが嬉しいだなんて」と吐露している以上、無自覚ながら梨璃の事を愛してるのは間違いないと思う。あと、過去作でのエイラーニャやあおすばでも描かれたおでここっつん。
ダインスレイフは今後は梨璃が使う…?10人目のメンバーはこれまでの絡みを考えたら百由様一択な気がするけどどうなるか。ヒュージが本来は操れないチャームを操っている、チャームはリリィにしか操れない、なら、エヴァ破で第10の使徒が自身のコードを書き換えたように、ヒュージが自身の術式をリリィから奪って変化させている…?
理事長代行がジョージなのに納得のキナ臭い展開になって来た。アバンの繭を大量に積んだ船はおそらくジョージ理事長代行が対立している連中の所有と思われるが、これは人間側が自爆させたのか汚染されたのか。汚染されたならヒュージと積荷の繭のどっちなのか。結梨の繭以外は浜辺に打ち上げられた時にはすでに潰れていた。敵対勢力が送り込んだ可能性はまだ消えないが、回収しようと躍起になっていた事から実験体が流失したのが百合ヶ丘に流れ着いたと考えた方が自然かもしれない。一方、学園サイドも善意だけで保護したわけでは無さそうで、梨璃にお世話係を任せつつも祀様と百由様をバックアップに付けて万全の体制といった感じ。1話以来2回目の女の子の「いーっ!!」って威嚇にハートブレイクされる祀様が可愛い。結梨はリリィであると百由様によって結論付けられたが“リリィはヒュージ化した人間”という前回明かされた可能性から安心要素は無い。エンディングで光に首が切られているのは間違いなくこの子だが、登場前は1話に登場した梨璃の友人ではないかという説もあった。ただ、CVの担当が同じ方なので無関係とも思えない。前述の人体実験に彼女が利用されたのかもしれない。
6話で折れたグングニルに代わってダインスレイフを梨璃が持つのかと思いきや既に修理済み。ではダインスレイフは誰が持つのか?このまま因縁のCHARMとして封印するのか?それとも結梨ちゃんが持つのか…?
8話「ツバキ」
アバンの入浴シーン、結梨の泳ぎ方がヒュージ襲来時のそれと重なって見えたが案の定…。解析科のデータからの百由様の考察によって結梨の遺伝情報が普通では無い事が明かされ、同時に、ゲヘナとグランギニョルより、連中の共同研究によって結梨が産み出された旨を自白した上での引き渡し要求がされる。結梨はヒュージから造られた人造人間。記憶喪失ではなく記憶は元から無い。結梨がみんなのにおいを悲しいと表現したシーン、言い回しが抽象的だがコレはマギのニュアンスを感じ取っている?加えて「みんなの事を知りたい」という結梨の願望は、彼女個人のパーソナルな欲求なのか、それとも種としてのヒュージの欲求なのか。百由様がジョージ理事長代行に4話ラストで明かしたヒュージの特性についての相関関係の内容は未だ視聴者に明かされていないが、それが結梨の在り方に繋がるような気がする。ヒュージ化した人間と人間化したヒュージに違いはあるのだろうか?
おそらく、7話で楓が結梨の身元捜索をグランギニョルに依頼した事が仇となり、結梨が実験体本人だという確証を与えてしまった。学園の敵は人体実験機関ゲヘナとチャームメーカーグランギニョル。「結梨がリリィである限りは保護する」と言っていたジョージ理事長代行だが、彼女がリリィではない以上、保護する根拠を失うという…。
しかし、学園祭は怒涛の勢いで流れていった感があるが、このエピソードの最大の肝は保護者参観状態のゆゆりり…もあると思うけど、学園のリリィが結梨に感情移入して味方している点にあるように思う。もし結梨が引き渡される事になれば、リリィは一柳隊に限らず誰もそんな事は認めないだろうが、ただ、そうなるとAパートで閑さんと梨璃が話していた人類同士の戦争という仮定が現実味を帯びてくる。
楓は果たして敵に回るのか…。
9話「コスモス」
グランギニョルの目的は人造リリィを産み出しヒュージとの戦場へと送る事で、リリィを(と言うより楓の様なリリィを)戦場から遠避ける事。その為にゲヘナを外道と理解しながら手を貸した。しかし、楓から結梨の事を直接聞き、結局は戦場で傷付くリリィ=ヒトが産み出される事態が覆せない事を諭され学園側に付き、結梨のゲノム情報を開示して彼女がヒトである証明に手を貸す。
8話の学園祭パートの意義もおおよそ考察した通り、結梨がヒトかヒュージか、それをリリィたち自身が判断するきっかけになっていた。そういう意味では生徒会が最初に政府側の命令に従っていたのは意外。コンビニやりとりを聞いて宗旨替えしていたようだけど。
「なににもならなくて良い」
「梨璃が名前を付けてくれたから結梨になったんだよ」
この台詞は佐伯監督の『放課後のプレアデス』の「私は私になる」を彷彿とさせる。根底にあるモノは同じだと思う。同作でもメインヒロインが主人公の前で散ってしまう展開があったが、主人公はそれでも諦めずにその人の事を探し続けた。また、コンテ参加の『少女☆歌劇レヴュースタァライト』でいなくなった大切な人を探し続ける11話も記憶に新しい。99.9%が同じヒトだけど、結梨の0.1%が何なのかは未だわかっていない。
メタ的な事を言えば、レアスキルから縮地とフェイズトランセンデンスを選択して使用出来た理由や他のスキルを使わないのかといった疑問もある。改めて確認したが、梨璃の髪飾りはヒュージの放ったマギを受けて砕け散っているため、一柳隊が海でこれを探してもおそらくは見付からないか残骸しか手に出来ない。では、何を見付けるのか?まだ終わっていないと思いたい…。
5話では「夢結様はいつだって素敵なお姉様です!!」と断言していた梨璃だが、9話の廃校シーンでの「サラサラの黒髪が羨ましい」に対して「夢結は夢結に生まれて幸せだね」と返されるやりとりと後悔から、同じニュアンスで「素敵なお姉様」という言葉が発せられる事はもう二度と無いのではないかと思わされた…。美鈴様を喪った夢結様の気持ちに対しての「わからないけどわかります!!」という言葉も、今となっては本当にわかってしまったのかもしれない…。梨璃と夢結の関係値は回を追うごとに変わっていく、という意味が少しわかった気がした…。梨璃は、大切な人を喪った憧れのお姉様と同じ境遇になってしまった。
※最終話後に追記
結梨ちゃんが彼岸へ逝ってしまった原因…とまでは言わないが、もし、文化祭で百由様のヒュージロイドに負けてさえいたならば単独でヒュージに挑む事はしなかったのかもしれない。
結梨はMIAではなく死亡…葬儀も執り行われ墓もある…が、遺体が見付かっているかはわからないので判断はここでは保留とする。エンディングで後ろ姿だけだった結梨が振り返り笑顔を見せる姿に変わっていたが、死を暗示していた首筋を切っていた光が消えている。メタファを信じるなら或いは…?
梨璃以外の一柳隊の面々が予想外に気丈に振る舞っていたように感じられたが、グロッピが死に触れてアンニュイになり百由様のところに甘えに来ていたところを見るに、各々も描写されてないだけで同じ様な状況にあるのだろう。他のメンバーはルームメイトを頼ることが出来るだろうが、工廠科は個室なのでこういう描写になっているのだろうと思われる。案外、エンディングの命感じるほどの描写は本編ではこのタイミングでのやりとりかもしれない。
※追記
そういやグロッピだけじゃなくて楓さんだって個室じゃん……、と思い当たり、そうさく倶楽部に篭っていたのはそれが原因なのでは?いや、よくよく考えると結梨ちゃんはどこで生活していたんだ?まさか楓さんが?そうさく倶楽部に篭っていたのはそういう理由もあったのでは?という発想の元で話を考えていたらラスバレで結梨ちゃん編の配信が発表され、投稿時刻から見ての通り配信前夜に書き上げてアップした。
#8 ルームメイト | アサルトリリィBOUQUET-幕間- - ker - 六連星手芸部員 -の小説シ - pixiv
楓さんが保護者であると予想したのは劇中に記した通りで、結梨ちゃんに特別個室が充てがわれていない限りは消去法でそれ以外考えられなかった。そういった背景があって楓さんが六角汐里さんにもし本当に心情を吐露していたのであれば、公式のこの見解も凄く納得のいく話だなと思った。
※追記終わり
髪飾りを探して渡すくらいで回復するわけがないと思ってはいたが、そこは一捻り加えられた脚本。リリィ総出でのレアスキルの重ね掛けも今後の戦闘に活かされるかもしれない。二つに別れたアクセサリーが友情の証になるアイコンの使い方は9話でも触れた『放課後のプレアデス』でも描かれていた。梨璃は立ち直ったわけではないし、それこそ夢結様と同じ境遇になってしまった。ただ、そうやって自分と同じ境遇になった梨璃に対し、今度こそ夢結様は美鈴様に対する胸の内を明かす。3話で百由様が夢結様に代わって梨璃に美鈴様の事を話した描写に違和感があったが、あれはどうやら私の気の所為ではなく、ここに来て本当の意味で腹を割って話せるシュッツエンゲルとしての間柄になったのかもしれない。代償が大き過ぎるが…。
美鈴様…、遺体に夢結のチャームの傷があったと百由様が序盤に話していた事から遺体は間違いなく回収されているハズだが、どうやら6話のヒュージを操っていた術式は美鈴様のモノであるという…。1話で設定として背景に出て来たリリィがマギに侵される(梨璃と夢結が除染の為に隔離されていた)という描写がここで拾われている…?ラスボスはヒュージのマギに汚染された美鈴様なのか…?だとすれば、夢結様は再び美鈴様にルナティックトランサーの刃を向けるのか…?
11話サブタイトルはまさかの「ユリ」となり、最終話のタイトルと内容が予想出来なくなった。
↓予想
11話「リリィ」
結梨のお墓にたくさんのお供物。10話以降に何人ものリリィが訪れた事が伺える。
梨璃が朝に弱いというのは情報として初だと思うが、OPで飛び起きる描写を毎回観ているので刷り込みがされてる。
7話で夢結様は既に必要な単位を取り終えている事が語られているが、11話では演習はともかく講義にも出席していた事が梅様から語られている。この時点で夢結様が意図的に梨璃を避けていたとわかる。
直接的な描写は無いものの、ミリアムが百由様の事を手伝っていた描写がこれまでに無かったわけでは無いけれど、10話の「こっちおいで」から急激に進展したと思わせる一晩一緒に夜鍋…。
4話ラストで百由様がジョージ理事長代行に話していた相関関係の内容がようやく開示される。厳密にはそのパターンは開示されていないが(おそらくはマギによる古い秩序の破壊という説の裏付け)、ジョージ理事長代行への報告の後に出現したヒュージの行動パターンが本来のモノから変化し、誰かの…美鈴様の介入による変化であるという。美鈴様のレアスキルはカリスマを超えた支配のスキル「ラプラス」であり、夢結の記憶ですら操作していた。この辺りの件は『攻殻機動隊SAC』の強制認識言語プログラムにイメージが近いかもしれない。百合ヶ丘のリリィが語る美鈴様像は品行方正な憧れのリリィだが、その実態は…。
美鈴様、夢結様に膝枕されてる時に片脚を上げてる無防備さは多分わざとそうしてる感があって最高に素行不良だし(夢結様が身だしなみに厳しいのはこの反動?)、傷付けられないと言いながら両手を夢結様の首にかける仕草とか全体的に狂ってる。
美鈴様は夢結様に邪な感情を抱いていた…。朝露のように眺めているだけなら美しいままの姿で留め置けた夢結に触れ、やがて壊してしまう事を恐れていたような…。あるいはそれは、夢結様を自分の手で殺めて本当に自分だけのモノにしてしまいたいという欲望と言えるかもしれない。対して、夢結様が思い描く邪な感情というのは、5話で梨璃の「お姉様を私に下さい!!」に対するリアクションから、せいぜい膝枕されたいとか指を絡めたいとかハグしたいとか髪のにおいをかぎたいとか、ひょっとしたら瞼にキスを落としたいとかそういうレベルに留まっていると思われる。美鈴様が夢結様を、それこそいっそ殺めて蝶の標本のように、花弁を散らす事の無いプリザーブドフラワーのように、”モノ言わないドール”のように自分の側に美しいまま留め置きたいとさえ考えていたのであれば、どのように言葉をかけてもその意味すら知らずに純粋無垢な親愛を返してくる夢結様の姿に対し、自身が必死になって抑え込んでいる欲望が求める従順な人形のような姿を見出してしまったのかもしれない。それが夢結様の本来の姿なのか、あるいはラプラスよって歪められた姿なのか、それがわからなくなった美鈴様は狂気に堕ちていき、やがて夢結様に殺される事を運命として受け入れたのかもしれない。
ただ、6話の美鈴様は夢結様に対して「自分を思い出して」と懇願している。これは美鈴様自身に対しても向けられた言葉とも言える?美鈴様がヒュージを操っているのか、ヒュージのマギが美鈴様を汚染した結果としてカリスマは歪んだ形のラプラスに昇華したのか。あるいはその両方なのか。
アサルトリリィは健全なアニメ…。
カリスマ持ちは梨璃の他にもいるとの事だが、今作ラスボスのヒュージの影響を受けていないのは梨璃だけ。夢結様のブリューナクですら機能停止していた事から、これは梨璃だけを狙って誘い込むため罠だと思われる。夢結のシルトを亡き者にするため…?梨璃がブリューナクを破壊したシーンは3話の訓練(と称した夢結様の当たりの強いアレ)との対比。そんな事にも気付かないくらいに夢結様が追い詰められている事が伺える。そして、破壊されたブリューナクの代わりに夢結様が手にするのはダインスレイフ。美鈴様がヒュージを操る術式は既にチャームを離れているわけだが、では、今あのチャームに込められているモノは何なのか?
最終回サブタイトルは「ブーケ」だった。花の名前じゃないとは…。
12話「ブーケ」
とりあえず最終話で気になった事というか新規投入してそのまま投げられた要素は…
・ヒュージの眼(?)が梨璃を見て言葉を聞いているような描写
・アルトラ級ヒュージにダインスレイフを刺した後に出て来たモノは…その後の描写的に結梨ちゃん…?救命コクーンをチャームで割るカットも7話の繭と被せてる感がある。なお、リリィ新聞によれば二人が発見されたのはヒュージネスト消滅から九日目…時間の方が狂ってるのかリリィがヒュージ化した人間である事の証明なのか。梨璃が結梨ちゃんの夢を見ていた描写から、実際には大半の時間は眠っていたのかもしれない。
・形象崩壊したヒュージネストの主であるアルトラ級ヒュージの骨格が完全に人型で巨神兵のそれ
・梨璃が発現したカリスマの上位スキルと思われるレアスキルの詳細は不明、しかしおそらくラプラスではない
…この辺りか。
ノインベルト戦術は「九つの世界」という意味との事だったが、最終話は学院全員のマギを集結させたマギスフィアを叩き込んだ。梨璃は無策で突っ込んだわけではなく、楓に特殊弾を託してヒュージの結界のアウトレンジからのノインベルト戦術に賭けていた。ただし、7人分までの段階ではマギスフィアをヒュージに奪われて汚染されているような描写があり、梨璃のグングニルが侵食されていた。なお、絶対に狙いを外さない雨嘉と実力者の楓さんとで二水ちゃんをサンドイッチする事でマギスフィアの最初のパス回しをサポートしてるのだろうと思われる。
ヒュージ暴走の原因は美鈴様の術式に寄るモノだが、梨璃によればこれはダインスレイフに込められた美鈴様の夢結様に向けた好意の影響、つまり、別にヒュージを操って夢結様を亡き者にするためとかではない…らしい。ただし「夢結様を好きなら好きでそれでいいと思うんです」と梨璃は純粋に受け止めているが、その好意の中身については言及されず。私の考察の方が不純で狂ってるような、そうでもないような…。この辺はボカしてると思う。梨璃のコミュニケーションって多分、相手に介入して相手の有り様を変えさせるのではなくて、相手が梨璃に関わった事で影響を受けて変わっていくタイプのカリスマなのだと思う。「夢結様をこんなに可愛くしちゃうなんて」とは夢結様の同級生達が繰り返し使ったフレーズだが、それにアテられて遠慮が無くなった二水ちゃん、友達想いになった楓さん、めんどくさい性格を自称してたハズが所々素直な反応を見せていた神琳、自信を持つきっかけをもらった雨嘉、ほっとけないヤツをもう見てなくても良いかなって他に目を向けた梅様、その庇護の対象となって棘が抜けていって猫との距離感でそれが可視化されていた鶴紗、最初は好奇心からのレギオン加入だったが百由様と一緒に感情を揺さぶられていったミリアム、というように周囲に影響は与えるが深追いはしないというか、その後の事は個々人の主体性に委ねられるタイプのカリスマ。なので、5話ラストで祀様が言っていた夢結様が梨璃の手の内にあるというのは誤りだと思う。というか祀様、あのやりとりってルームメイトとして夢結様の心を開く事が出来なかったのにも関わらず、それを後からやってきた梨璃が達成した事に対する嫉妬で夢結様に意地悪で言ってないですか?それが11話での幻覚に多少は影響が…。話を戻すと、梨璃は相手の感情を掌握するようなタイプの性格でもレアスキルでも無い。だから、良くも悪くも美鈴様の感情を正確には読み取っていないだろうし、それはある意味で夢結様にとっては救いでもあるような気がする。
「本日混浴 湯着 有〼」百合ヶ丘では学年を跨いで一緒に入浴したら混浴扱いらしい。どういう貞操観念なんだ…。ちなみに、後述の梨璃の右腕の傷はこの時も一瞬見えている。
ジョージ理事長代行と梨璃の初対面と会話。1話で梨璃のために入学式の開始を遅らせたり、5話で学園の側にラムネの自販機を置いていたり(梨璃の為かはわからないが)、結梨ちゃんのために国とやりあったりと色々と繋がりはあった。しかし、何故“代行”してるかの理由については最後まで不明。
生徒会三役と夢結梨璃との間には結梨ちゃんの事で確執が…あったわけでは…いやどうだろう…。ただ、やはり生徒会サイドに負い目はあったようで梨璃がジョージ理事長代行に結梨ちゃんの事を切り出した事で謝罪と和解。
百合ヶ丘女学院の管轄するネストの正式名称はリリィ新聞によれば「鎌倉府・柒号・S級・由比ヶ浜ネスト」(柒号はななごうと読む)だった。全部でいくつあるんだ…。今期では、数あるネストのうちの一つをヒュージ達がネストのマギを吸い尽くして暴走した隙を突いて潰した、というだろうと思われる。百由様万能説と思わんでもないが、術式それそのものは美鈴様のモノがベース。つまり、夢結様の記憶を操っていたラプラスの術式を意図的にヒュージに向けたモノと思われる。なお、ネスト侵入時の傘で降下するギミックは初出ではなく、6話でアールブヘイムのそらくすが既にやっているので共通装備と思われる。
救命コクーンで脱出する際の「なんだかお姉様に包まれてるみたい」「何を言うのよ」という会話、「何を言うのよ」は5話ラストでの祀様の「ドキドキする?」に対する返答と全く同じ。なので、コクーンの中で二人っきりのシチュエーションでの梨璃の言葉に夢結様はドキドキしてる。そしてちょっと言い方に余裕があるというか、5話では好意に戸惑っていた感じがあったが最終話ではそれを受け入れてるような声のトーン。最終話ではお互いにタイを解いて救命コクーンにしているが、1話では夢結様が梨璃のタイを一方的に外してピックに変化させてヒュージに投擲している。棘があったのが丸くなったと言ってしまうと非常にチープな言い回しだが、一方的→相互、攻撃→救命と同じギミックでも使われ方が全く違うのがわかる。梨璃が1話で負った右腕の傷、これまではお湯で隠れたり湯気で見辛かったりしていたが、コクーンの中で指輪の光に照らされてハッキリと傷が見えるのが非常に象徴的。そして、指輪をはめる指が薬指じゃなくて中指なのは何故だろうとずっと疑問だったが、手の平を重ねたり恋人繋ぎみたいに指を絡めたりした時に指輪が重なるようにする為なんですね。ちなみに、夢結様の下着が黒で驚いてる人が多いようだけど、実は1話の戦闘シーンで既に見えてたりする。
10話で髪飾りを探すのに用いたレアスキルの重ね掛け、上記では今後の戦闘に活かされるかもしれないと考察したが(実際、Aパートでも活かされたと思うが)、本番は夢結様と梨璃の捜索への布石でもあった。
サブタイトルのブーケはまさかのミリ百由の結婚式で二人が持っていた文字通りのブーケだった!!(違うけど違わない)「こっちおいで」→「百由様を手伝うのじゃ(徹夜で二人っきりで夜鍋)」→シュッツエンゲルの契り…挙式ではミリアムがデレッデレになってるしで描写外で一体何があった…。
結梨ちゃんは結局どういう存在になっているのか…。8話で梅様が「梨璃のシルトみたいだ」と言っていた一方で「梨璃と夢結は私が帰すから」と梨璃に寄り添う結梨の姿は二人の守護天使(シュッツエンゲル)のように思えてならない。
おわり
新要素も色々投入されているので、アニメはアニメとして
つづく?
本稿の考察の一部に地の文と台詞付けてそれっぽくした読み物です。
「アサルトリリィBOUQUET-幕間-」/「ker - 六連星手芸部員 -」のシリーズ [pixiv]
あと、本職はコッチなので