↑後日、機材を整えて何枚か撮り直す
『その着せ替え人形は恋をする』より黒江雫たんのヒトガタあみぐるみです。材料はアクリルウール混合毛糸と詰め綿のみ。ワイヤーや重石、磁石等を使用せずに自重のバランスのみで自立させて、かつ編み図の工夫だけでお座りモードにも変えられるようにしてます。色合いがキャラデザと違うじゃんと思われるでしょうが、色の微妙に異なる黒糸で生地を編んで重ねても全く映えなかったため、あれこれ試行錯誤してエンディングジャケットの色合いを参照しました。
タイツの柄は再現するにはドット数が足りなさ過ぎる(足回りの目数が8目しかない)、自立⇄お座り機能とバッティングするのでガーターベルトオミット、自立させるのが不可能なのでヒールオミットと下半身はかなり妥協してます。
久し振りに違う作品のキャラクターを編んだという事もありかなりの難産で、素体(服を着せて無い状態を自分がそう呼んでます)を4回も編み直したり、ドレスヘッド(フリルカチューシャ？)を20個も試作したりと迷走しまくってました。ぱっと見大変そうな薔薇飾りはテンプレートを作成済みだったので一発で終わったのに……。袖も出来ればもっと広げたいところですが、流石に重さのバランスが劣悪になるのでこの程度に。
なんだか良くないところばかり羅列してますが最近の素体から改善されたところもあり、髪のボリュームに関しては今回かなりコントロールが出来ました。あみぐるみの植毛は、一般的には鎖編みや髪状に編んだパーツを頭部に直縫いする手法が主流のようですが、自分の場合はドールで用いられている方法を参照し、ネットパーツを頭部に編み付けてその上に植毛してます。なので、着せ恋と同様にウィッグを被せてるのとほぼ同じです。いつもは目に見える糸の本数換算で1000本以上を植毛してましたが、今回は思い切ってこれを大幅に減らしました。ギリギリで薄く見えないラインを突きましたが、この方が先日改訂した頭部の丸みも目に見えて良かったように思います。
また、これは良くも悪くもある点ですが、前回から実装した自立⇄お座りの切り替え機能ですが、これを繰り返し変更する事で詰め綿が偏る欠陥が浮き彫りになりました。つまり、そのうち自立出来なくなる可能性がある訳ですね。これに対する回答は一応思い付いてはいるので次作で実装予定です。
ここからはある種の方法論の話ですが、着せ恋のごじょー君の制作姿勢って可能な限りの原作再現や細部へのこだわりが凄く強いですよね。観ていて色々と身につまされる面なのですが、自分の目指すスタイルはこれとはおそらく対極にあって、自分は究極の一、ある個人にしか制作出来ないモノを目標にはしていないんですよ。職人技的な作品ではなく図面さえ見れば誰でも再現出来るようなそういったモノを目指したい。自分で粗探ししまくってるのも再現性の乏しさと手癖を排除したいという動機が強いです。
使用毛糸
横田 DARUMA やわらかラム 毛糸 合太 col.2 クリーム 系 30g 約103m 5玉セット 01-5140
自分の知る限り、この糸でヒトガタを編んでるのは自分だけです。あみぐるみに広げても極小数。所謂ベビーウールの名の通り、本来の用途は乳幼児用の衣類の作成であって糸が非常に柔らかいんですよね。形ががっしりせずに不安定なので、普通なら自立するようなあみぐるみは編めませんが、そこは編み図の工夫で捩じ伏せてます。
使用かぎ針
