最近、マスコミによる切り抜き報道が話題ですが、騙される(悪用する?)方が後を絶ちません。その原因は「切り取られた情報の出自(ソース)はどこなのか」「元の情報はどんな内容なのか」「改変された情報はソースと何が変わっているのか」等を確認する習慣が無い事、及び、その上で内容を確認しないまま情報を拡散する習慣は有る事、によるものだろうと思われます。今回は、極短時間で改変された情報が爆発的に拡散された事例であったため、ここにその変遷を列挙して簡単に内容を併記します。
※ソースって何?という点に関してはニコニコ大百科の「ソース」記事における「ソース出せよ(情報工学とソース主義編)」の項が割とわかりやすいです。
ソース - ニコ百 https://dic.nicovideo.jp/id/4396499
②二次ソース
①から切り抜かれた情報。既に意味は変質している
白血病を公表 池江選手に励ましの声 | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190212/k10011812351000.html
③三次ソース
②に対するSNS等におけるコメントやツイート
④四次ソース
③を編集したモノ
池江選手の白血病「がっかり」「下火にならないか心配」 桜田五輪相に批判殺到 https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/sakurada
④四次ソース(転載であるため同様に四次ソース、主に炎上したリンクはこれ)
池江選手の白血病「がっかり」「下火にならないか心配」 桜田五輪相に批判殺到(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190213-00010001-bfj-spo
⑤五次ソース
④に対するSNS等におけるコメントやツイート
⑥六次ソース
⑤をまとめブログなどが編集したモノ
⑦七次ソース
⑥に対するSNS等におけるコメントやツイート
①一次ソース
本来の情報源。ローデータ。改変されていない情報。一番最初に提示されて然るべきだが、情報としては最後に出回った
http://www.news24.jp/articles/2019/02/13/04416996.html
一次ソースが最初に提示され、それに対して批判が起こるのであればそれは仕方のない事です。「改めて全文を読んでも印象が変わらない」という方もいますが、最初に提示された二次ソース以降の情報によって「◯◯が悪い」という認知バイアスが形成される事も原因の一つとして考えられます。今回の事例では、先に示した通り最初に提示された情報は既に改変が施された二次ソースであり、それに対するリアクションを基にした四次ソースが主とした炎上元となっています。二次ソースの時点で情報の信憑性が失われているのですから、四次ソースまで行くと最早原形をとどめていないと言ってもいいです。
「内容の酷い二次創作に対して書かれた論評を基に一次創作を発表している公式に文句言う」ようなものですね。そんな事されたらたまったものじゃないでしょう?
「ローデータではない(何らかの編集がされている)限り、その情報には何らかの思惑や意図が必ずあるので、その点は念頭に置いて、何が改変されているのか何故改変されているのかに注目してデータを読むべき」
と、高校の社会の授業でメディアリテラシーに関連して習ったモノですが、とりあえずこの内容だけでも持ち帰って頂ければと思います。
以上