六連星手芸部員が何か書くよ

基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ、アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。 本音を言えばあみぐるまーです。制作したヒトガタあみぐるみについて、使用毛糸や何を考えて編んだか等を書いています。

#検察庁法改正案に抗議します の発端がフェイクニュースである事を法律的、政治的知見に依らす証明してみた

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052001076&g=soc

実際、検察とマスコミの不祥事でしたよね。

 

※初稿にて衆議院サイトマップのリンクがバグっていたので修正しました

 

・法律に疎い芸能人やクリエイターは政治的発言をしてはいけないのか?

度々主張されてきたこの文言ですが、今回の一件でもやはり散見される文面です(ファンがそう言ってるだけで本人が言っているとは限りませんが)。

これに対する回答はNOだと思います。例えば、医学に詳しくない患者であっても、もちろんその人は自身の治療方法に関して医者に質問して納得行くまで確認する権利を有していますし、医者にはそれを聞いて患者が納得出来るよう説明する義務があります。専門外の事について意見してはいけないという事はありません。これは明白です。

ただし、それは的外れな誹謗中傷が容認されるという意味ではないですし、ましてやデマに基付いた批判が許されるという意味でもありません。

「じゃあ法律に詳しくない素人は黙ってろって言うのか」

と言われそうなのでこの記事を書いています。これは法律や政治の話以前の情報の取捨選択に関わる非常にテクニカルな問題です。したがって、検察庁法改正案に抗議しますのTwitterデモの発端がフェイクニュースである事は、それらの知見無しに下記の手順で証明出来ます。


・そもそも「検察庁法改正案」ってどこから出てきたの?

検察庁法改正案に対して賛成している人がいない」「調べてもポジティブな意見が出てこない」そういった発言を見掛けたためググってみました。

確かにネガティブな報道記事や動画、SNSの発言がズラリと並んでいます。しかしこの検索結果はどう考えても妙です。ポジティブな記事が無いからではありません。法律について検索を掛けているのに“関係省庁や行政機関のウェブサイトが検索上位に一切表示されない”からです。これは幾ら何でもおかしいです。ググっていては解決しそうに無いので行政機関のサイトマップで検索を掛けます。

衆議院サイト内検索結果 - 検察庁法改正案

魚拓 2020.5.15

http://archive.is/ixjdI

18件ヒットしました。直近の第201回国会に限れば3件です。確かに議論もせずに強行採決してますね…なんてわけがないでしょう。第155回国会なんて17年も前ですよ?そこまでのアーカイブからこれだけしかヒットしないなら検索ワードの方を疑うべきです。そこで、本会議の内容を見てみます。法律には触れません。タイトルを確認します。

第201回国会 本会議 第19号(令和2年4月16日(木曜日))

目次を読んで検察庁法改正案のページ内検索の結果と照らし合わせてみると、「国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑」と一致します。どうやら元はこの「国家公務員法等の一部を改正する法律案」という法律に関わる審議のようです。では、これで再びサイトマップで検索を掛けてみます。

衆議院サイト内検索結果 - 国家公務員法等の一部を改正する法律案

魚拓 2020.5.15

http://archive.is/GXJlE

2,200件弱ヒットしました。少なくともニュースで言われているような議論していない状態、というわけではないようです。そして改めてこの法律でググってみます。

行政のウェブサイトが検索上位に多数ヒットしました。これが今回問題とされている法律の根本であると言えます。

また、検察庁法でのサイトマップの検索結果は440件あります。これが公的に用いられている名称であり、検察庁法改正案というのは非常に限定的な言葉だというのがわかります。参議院も同様の結果が得られます。気になる方は調べてみて下さい。

衆議院サイト内検索結果 - 検察庁法

魚拓 2020.5.15

http://archive.is/0sbi3

つまり、検察庁法改正案というのは国家公務員法等の一部を改正する法律案に関連して限定的に用いられているワードであるとわかりました。少なくとも「検察庁法」で検索を掛けなければ国会の議事録のアーカイブも殆どが閲覧出来ず、しかも「国家公務員法等の一部を改正する法律案」というワードに辿り着けなければ法律の全容も把握出来ません。


フェイクニュースと断言した点について

上記の検索作業により、検察庁法改正案…という名称が非常に限定的な使われ方をしており、この言葉だけで情報収集をしても得られる情報が非常に偏ったモノになる事がわかりました。

さて、皆さんが検察庁法改正案というワードをどこで最初に目にしたかは私は知りませんし、賛成反対どちらを表明する事も自由ではあると思います。

では、それらを決定する上で「検察庁法改正案」というワードのみに頼った情報を頼りにした方はどれだけいるでしょうか?「検察庁法」まで含めて検索した方は?「国家公務員法等の一部を改正する法律案」まで辿り着いた方は?賛成反対を決めた根拠となった情報源にそれらの記載はありましたか?上記で示した一次ソースである国会の議事録のリンクは記載されていましたか?それらに触れず偏った情報のみを提供する事は非常にアンフェアであり、であるからこそ私はフェイクニュースだと断言しました。


・本件は、法律に疎い芸能人やクリエイターは政治的発言をしてはいけないのか?という問い掛け以前の問題

私は法律の内容や検察庁法改正案という言葉を用いて質問した議員が誰であったかに言及していませんし、そもそも法律には大して詳しくもないですが、少なくとも法律や政治的知見に依らずともこれだけの事がわかりました。少し調べれば、内容は理解出来ずとも与えられている情報が間違っている、という事はわかります。皆さんが何を根拠に本件に対する賛否を決定したかは知りませんが、始点が誤っているのであればその結果としての賛否は棄却して考え直すべきだと思います。

 

余談ですが、本件の社会の動きは下記の記事で問題にした事象に似ていると個人的には思います。

DL違法化ってホント?一次ソースの「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会 報告書」を紹介する - 六連星手芸部員が何か書くよ

池袋暴走事故における問題と批判との乖離について - 六連星手芸部員が何か書くよ

 

以上