六連星手芸部員が何か書くよ

基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ、アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。 本音を言えばあみぐるまーです。制作したヒトガタあみぐるみについて、使用毛糸や何を考えて編んだか等を書いています。

ダウンロード違法化に関する諸々の問題点と考察、パブリックコメントへの対応を記述する

半年ほど前に話題になったダウンロード違法化ですが、現在「侵害コンテンツのダウンロード違法化等に関するパブリックコメント」と題して2019年9月30日から10月30日までの間に意見募集がされています。しかし、本件に関してはマスメディアがきな臭い報道で主導権を取りに来ている感が否めず、DL違法化への反対を訴えながらも見当違いな批判をしている人が殆どで、そうした意見が主流になる事への危機感もありこうして記事にまとめます。

 

・そもそもスクショ違法化についての記事はフェイクニュースである‬

‪いきなり前提を壊すような事を言いますが事実は事実です。ダウンロード違法化に関する議論は官民公私を問わずもっと以前から行われてきましたが、この問題が大きな話題となったのは下記の記事が大元でしょう。‬

DL違法化、研究者や弁護士ら87人が緊急声明 「国民生活に及ぼす影響、検討が不十分」|弁護士ドットコムニュース‬

https://www.bengo4.com/internet/n_9267/

著作権侵害、スクショもNG 「全面的に違法」方針決定‬

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190213-00000035-asahi-pol

この話題に対し「けしからん!!」と怒りを表明した人は大勢いますが、その中で実際に一次ソースである「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会 報告書」にそういった記述があるかを自分で確認された方はどれくらいいるのでしょうか?‬下記PDFが槍玉に挙げられていた報告書となります。実際に「スクリーンショット」などでページ内検索をかけてみて下さい。

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/r1390054_02.pdf

詳細はこの章の最後に記載したリンクの通り以前記事にしているので結論だけ記しますが、この会議の中でスクショ違法化の方針が決まったという事実は存在しません。実現可能性としての可否は勿論検討されていますが、具体的な反証を基にスクショ違法化は出来ないと記されています。この事実が本件の前提です。

漫画家さんの中にもこの件に対して条件反射的に賛同している方が多く見受けられましたが、御自身の生活に直結する重要な事項という認識を持ちながら一次ソースを確認せずに二次ソースのみを間に受けてしまっている方が多くいた事には驚かされました。また、某あいちの芸術監督は当時本件を非常に強く問題視し、勿論、SNSでは一次ソースではなく前述の二次ソースの方を拡散して訴えていましたが、皆さんは、氏がファイル共有ソフトを利用した著作権を侵害する方法を広めて収入を得ていた経歴をご存知でしょうか?

漫画村問題:津田大介氏、過去の”原罪”に触れず著作権の回復を叫ぶ「転身」ぶりに呆れ声 https://news-vision.jp/intro/188222/

昨今の言動からも、氏が表現の自由という概念からは程遠い存在である事は社会的に認知されつつあると思いますが、そうした人が賛同しているキャンペーンには何か裏があるのではないか、くらいは疑って掛かった方が良いと思います。‬

DL違法化ってホント?一次ソースの「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会 報告書」を紹介する‬‪

http://ker-cs.hatenablog.com/entry/2019/02/19/223722


‪・そもそもどういうプロセスでこういった議論の場が持たれるのか‬

‪話がやや逸れたので本題に戻します。実際に誰がどうしたというのを見聞きしたわけではないので一般論として書きますが、ざっくり言えば、‬

‪①議員(実際は議連だと思います)から問題提起‬

‪②官僚に検討指示‬

‪③官僚が専門家を招集‬

‪④召集された専門家が問題について検討‬

‪⑤官僚から議員に検討結果の報告‬

‪⑥議員が報告を受けて法案として通せるか検討‬

‪このようなプロセスだと思います。『シン・ゴジラ』の序盤で矢口さんが似たような事をやってましたよね?⑤のプロセスにおいて④を無視した報告がなされないとも限りませんが、前述の記事では④を指して全面的なDL違法化やスクショ違法化と記しており、これは明確に事実に反します。ここで問題となるのは、本来であればDL違法化について現実的な議論をしていた文化審議会が攻撃された事です。もっと踏み込んで言えば、今回のDL違法化に関するパブリックコメントの募集に至った要因として、DL違法化について否定的だった文化審議会の議論がフェイクニュースを元に世論から攻撃された=否定された事により、再度この問題を蒸し返す口実が与えられてしまった可能性があります。先に記した事に付け加えるならば、召集された専門家と官僚、国会議員の目指す方向性や思惑が一致するとは限りません。その上で、本件においてDL違法化について反対の立場を取っている方は、文化審議会を攻撃対象とする事はその目的と行動が一致していないという事が御理解頂けるでしょうか?メディアが行なっていた「‬ 文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会 報告書」の否定は、すなわちDL違法化への賛成と見做されかねません。


‪・パブリックコメントの問題点‬

‪ここまではメディアのフェイクニュースとその情報を元に行動する事は誤りである旨の内容を記しました。その上で、一旦は否定されたDL違法化が“誤解によって生じた世論の後押し”によって再開された可能性がある以上、パブリックコメントにはそれに与する意図があると考えるのが自然です。‬

パブリックコメント:意見募集中案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185001067&Mode=0

そこで、今回問題とされている上記リンク内にあるExcelファイル「侵害コンテンツのダウンロード違法化等に関するパブリックコメント質問事項及び回答様式」についてですが、「2.懸念事項及び要件設定」に関しては各々の質問項目について答えれば良いだけですが、「1.基本的な考え方」に関しては明らかに質問紙法の基本原則である“1つの問につき2つ以上の要因を尋ねてはいけない”に反している為、質問項目として欠陥であると言えます。つまり、本来であれば個別に質問すべき「A深刻な海賊版被害への実効的な対策を講じること」と「B国民の正当な情報収集等に委縮を生じさせないこと」、「C侵害コンテンツのダウンロード違法化を行うこと」の3要因(ABCは筆者の省略表記、以下アルファベットで記述します)を一度に尋ねている事は質問紙法ではあってはならない事です。なぜなら、AとBには賛成だがCには反対である場合、この問いに回答不可能となるからです。本来であれば、これらは個別に質問すべき独立した内容です。この点を指摘して“国は国民に選択の権利を与えていない!!”と憤っている方もいらっしゃるようですが、一般的に質問紙法による調査は全ての項目への回答を強要していませんし、自由記述欄も設けられているので、「1.基本的な考え方」の内容に不備がある旨と上記3要因それぞれに対する賛成反対を記述すれば良いと思います(ていうか表現の自由を求めながら自由記述書く気が無いというのは、規制されてもされなくても結局はその人の書ける内容なんて変わらないんじゃ…)。ただし、“空蘭は賛成と見做す”という内規(あるいは集計上のプログラムの仕様)が設けられている可能性がありますので、3要因のうちどれか一つでも反対である場合は、回答欄には反対を記載した上で自由記述欄を記載するのが良いと思います。

私は情報と方法論を提示しただけです。どのように記述するかはお任せします。


・個人的な見解について

ここから下はDL違法化に限らず広く表現の自由について記述していますが、DL違法化に関して事務的に主張したい事や諸注意は終わっているので興味ある方だけどうぞ。

さて、上記までの内容で私個人はダウンロード違法化には反対ているのかな?という印象を持たれた方も多いと思いますが、実は必ずしもそうは考えていません。某芸術監督のやってきたような事は違法化されても良いと思っていますし、「2.懸念事項及び要件設定」で質問項目にある二次創作に関しても任天堂円谷プロが声明を出した事は記憶に新しく、個人的にも二次創作も表現の自由だと言って強姦ネタ等を大っぴらにしていたクラスタに対して苦言を呈した事もあり、自由の意味を履き違える人が大勢いて自浄作用が無いのであれば規制も止む無しと思っています。そして、その責任は法を施行する側ではなく施行される側にあるとも考えています。やって良い事と悪い事がある、とはいうものの表現の自由はその悪い事を正当化する為の都合の良い盾として利用されている感が否めません。例えば、犯罪被害者の人権を無視したマスメディアのワイドショーなんてそうじゃないですか。遺族への突撃取材とか葬儀や通夜に押し掛けるとか、そんな事してたら自由なんて無くなっていくに決まってるでしょう?二次創作だって表現の自由を盾にして公式へのヘイト溢れる投稿を繰り返していたら、そりゃあ全面的に止めろと公式も言いたくなるというものです。最近はヘイト展示への助成金不交付が話題ですよね?いずれにせよ、本来は制約を外されていた事に枷がはめられる原因として、権利を行使している側の問題がある以上その点にどうこう言う資格なんてあるの?という話です。その結果として規制される事に対し、文句言ってる人と問題行動を繰り返してる人って大抵同じですよね?そんな扇動に賛同してたまるかと思うわけです。

予断ですが、先日このブログの記事を丸パクリされたのを下記リンクの記事の通り対処しています。記事を丸パクリされるのはこれが初めてというわけでもないので(悪名高い3大アフィブログにも、こんな閑古鳥が鳴いているようなブログの記事が無断転載されたりしてるんですよ?)、そういう経験もあり、やはり何かしらの罰則は必要なのではないかというのが私見です。

本名を公開せずにDMCAの侵害申し立てする方法の追試を実施しました

http://ker-cs.hatenablog.com/entry/2019/08/06/005424


以上