①DL違法化ってホント?
さて、DL違法化に反対と何やら盛り上がっていますが「本当にそうなのか?」という点についてサクッと検証します。
DL違法化、研究者や弁護士ら87人が緊急声明 「国民生活に及ぼす影響、検討が不十分」|弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/internet/n_9267/
との事ですが、記事の中にはこの文章のソースのリンクが掲載されていないんですよね。
という事で、問題視されている文化審議会著作権分科会というのが下記のリンクとなります。正確には「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会 報告書」ですね。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/r1390054_02.pdf
で、まずはやたら煽られているスクリーンショットに関する文章ですが、下記の通りページ内検索をかけてみても179ページに及ぶ文書において登場回数は僅か4回(3ページ)です。
いずれも、スクリーンショットを違法とする旨の文章ではなく、「必ずしも違法アップロードによる被害全てに対応することまでは求められず」「ブログ記事の一部にマンガ(有償)の違法画像が(筆者による中略)刑事罰の対象にならないものと考えられる」「もとより、ダウンロードが違法化されるのは違法にアップロードされたという事実を確定的に知っている場合に限られるため」などなど、どこにもスクショ=違法に直結するという旨の文章は登場しません。
スクショ論争の発端となったのは下記の記事ですが、この見出しは何処から出てきたんでしょうね?
著作権侵害、スクショもNG 「全面的に違法」方針決定
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190213-00000035-asahi-pol
次に「ダウンロードする事を全面的に違法とする」とした弁護士ドットコムの記事ですが、先に挙げたスクショの話だけでも既に例外となる場合について検討されているのが分かりますよね?つまり「あらゆるコンテンツ」も「全面的に違法」も元文書を少し読むだけでも誤りである事がわかります。一昨日も記事にしましたが、一次ソースを読んで情報の正誤を確認する必要があるという事です。
「ソース出せよ」に学べ-炎上ニュースの火元と情報改変を列挙する-
http://ker-cs.hatenablog.com/entry/2019/02/17/110338
そもそも、朝日新聞の記事も弁護士ドットコムの記事も、共に情報元である「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会 報告書」へのリンクが掲載されていない時点で「なんで?」って思うポイントですよね。これを根拠に書いているのですから、「こんな悪い事を企んでいるんですよ」って堂々と紹介すればいいじゃないですか。なんで出来ないんでしょうね?という問いへの回答は上記の通り「そんな事書かれてないから」でした。
②「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会 報告書」はどう読めば良い?
このままでは引用した記事同様に見出し詐欺になってしまう為、この長い文章をどう読めば良いかについて個人的な見解を記します。まあ、「◯◯という場合にはどうなるのか」という思考実験について書かれた文書としても読み応えがあって面白いので、少しずつ読み進めていっても良いと思いますが、とりあえず興味のある単語でページ内検索をかけてみて、「これって自分に影響あるの?」という事を調べるところから始めてみるのも悪くないのではないでしょうか。
さて、皆さん気になっているであろう「SNS」という単語について検索をかけたところ、全部で13件ヒットしました。思ったより少ないですかね?で、中にはSNSを用いて違法DLサイトへの誘導を行う事が違法の対象となり得る旨の記述もあります。…ありますが、私がこう記した文書は正確な引用ではないですよ?間に受けちゃダメですよ?本文中では前後に例外となる状況が明記されてますし、欄外にも引用文献や懸案事項が記されてますよ?
というわけで、どういう状況がダメなのか、何が例外として想定されているのかという事を、ちゃんとご自身で読み込んでいってみましょう。
以上