六連星手芸部員が何か書くよ

基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ、アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。 本音を言えばあみぐるまーです。制作したヒトガタあみぐるみについて、使用毛糸や何を考えて編んだか等を書いています。

続・SFアニメ・漫画を語る

twitter上に挙げたレビューを加筆修正したモノ。
以前のレビューはコチラ↓

SFアニメ・漫画を語る - プレアデス手芸部員が何か書くよ

 

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オンラインゲーム「The World」に精神を取り込まれた司は、自らも現実への帰還を拒絶し、与えられた力に溺れていく。ゲームと現実が交錯する中、司は自分のリアルを取り戻す事ができるのか。
監督:真下耕一、構成:伊藤和典、キャラ原案:貞本義行、音楽:梶浦由記と、錚々たるメンツが集まった。本作は『.hack』シリーズの根幹を成すAI"アウラ"誕生に纏わる物語であり、同時に、殻に閉じこもっていた主人公が、自分の足で外に踏み出すまでを描いた物語でもある。

攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』
電脳化、義体化が普及し、サイバー犯罪が横行する近未来。政府直轄対テロ部隊"公安9課"(攻殻機動隊)は、警視庁総監の暗殺予告を契機に、かつてマイクロマシン企業を次々と脅迫したウィザード級ハッカー"笑い男"を追う。
監督:神山健治、制作:Production.I.G。原作:士郎正宗のコミック『攻殻機動隊』を、"素子が人形使いに出会わなかったら"をコンセプトに、パラレルワールドの設定で再びアニメ化。劇中で描かれる"笑い男事件"は、実際に起こった薬害事件をモデルとし、医療技術の認可に纏わり、企業、医師会、与党上層部の思惑が複雑に絡み合って進行する。また、本作のマスコットキャラ"タチコマ"について、AIの進化と機械に宿るゴースト(魂)の存在が裏のテーマとして設定された。

スプリガン
巨大企業アーカム財団は、古代人の意志に従い、太古の文明に作られたオーパーツを封印する目的で設立された。財団所属の戦闘エージェント"スプリガン"の、オーパーツの軍事利用を目論む各国軍部や軍事企業との戦いを描く。
原作:たかしげ宙、作画:皆川亮二によって、少年サンデーで連載されていたSFアクション漫画。また、ノアの方舟篇の映画化に際し、大友克洋によって総監修され話題になった。主人公"御神苗優"の殺人機械としての一面や、人死にの絶えない戦闘描写等、少年誌としてはハードな内容を扱った。

デジモンアドベンチャー 僕らのウォーゲーム』
デジタルワールドを救い、現実へと帰還した選ばれし子供達。それぞれが平和な春休みを謳歌する中、ネットに新種のデジモンが出現。世界中のネットワーク上のデータを食い荒らし、現実を大混乱へと陥れる。選ばれし子供たちが再び立ち上がるが、その奮戦の最中、ついには核ミサイルまでもが発射されてしまう。
監督:細田守。前日談『劇場版デジモンアドベンチャー』監督、TVシリーズ21話『コロモン東京大激突!』演出に続き、シリーズの後日談を描いた。上映時間40分の短編ながら、高い作画クオリティ、あらゆる時間イベントをリンクさせた演出、邪道と王道の戦闘描写と見所満載の作品。

イヴの時間
未来、たぶん日本。家庭用ハウスロイド(アンドロイド、ガイノイド)が実用化され、普及した世界。リクオは自宅のハウスロイド"サミィ"の行動ログに奇妙な一文を発見し、友人のマサキと該当座標を訪れる。そこは、人間とロボットを区別しない喫茶店"イヴの時間"だった。
監督:吉浦康裕。自主制作アニメを制作してきた監督にとって、初のグループワーク作品となる。3DCGで描かれた喫茶店の中を登場人物が動き回り、カメラがそれを追う、ブレる、ピンぼけする。また、監督の演劇経験を活かした会話のテンポも非常に独特。閉じたシチュエーションながら飽きさせないアニメ。

NieA_7
浪人生のまゆ子は、大学受験に向け予備校に通う為、上京して銭湯に下宿し、バイトと勉強に明け暮れる生活を送っていた。平凡な極貧生活を送るかに思えたまゆ子の生活は、しかし、居候宇宙人ニアの介入により破茶滅茶になるのであった。
監督:佐藤卓哉。原作:gk(ジェロニモ本郷&糞先生)…この2人がいつものコンビであることは周知の事実。なお、漫画版の作画は安倍吉俊。爆発オチ含む(しかも次回以降も持ち越される)破天荒なギャグとシリアスさが共存した、ノスタルジック近未来SFナンセンスコメディ。

『スペース☆ダンディ』
宇宙人ハンターを生業とし、宇宙を駆けるダンディは、惑星の爆発に巻き込まれたり、ゾンビになったり、ロードムービーに興じたりと破茶滅茶な日々を送っていた。これは、宇宙規模のダンディの活躍を描く物語である。
渡辺信一郎総監督の下、毎回主要スタッフも内容もガラリと変わる掴み所の無いアニメ。しかし、一見すると無関係に思われた数々のオムニバスエピソードは、最終的に全ての伏線を回収し大円団で完結した。「アニメーターの実験場」「制作予算無尽蔵」「一流シェフの作った闇鍋」等、様々な比喩によってそのクオリティが賞賛(?)された。

翠星のガルガンティア
遥か昔、宇宙へと進出した人類は、謎の生命体"ヒディアーズ"と終わる事のない戦争を続けていた。少年兵レドは戦闘の中、ワームホールに吸い込まれ、未知の惑星に漂着する。そこは人類発祥の星、太陽系第三惑星、地球だった。
監督:村田和也。シリーズ構成:虚淵玄という事で、作風が白か黒かで話題となった。迫力ある戦闘シーンも魅力的だが、この作品の肝は、漂流民レドの奮闘の丁寧な描写にあるように思う。異星の地に馴染むべく、少しずつカタコトで会話出来るようになったり、真っ白だった肌が焼けていったりと、細部への拘りにも注目。

PLUTO
人工知能が発展し、ロボットにも人権が認められるようになった未来。世界最高水準の能力を持つ7体のロボットの1人、モンブランが何者かに殺害される事件が発生する。自身もその7体の1人であるユーロポールのロボット刑事、ケジヒトが捜査に乗り出すが、やがて、かつての戦争に纏わる事件の全容が明らかになっていく。
手塚治虫原作の『鉄腕アトム 地上最大のロボット』をベースとし、浦沢直樹が大きくストーリーを肉付けした。多くの漫画賞を獲得し、また、全8巻と手に取り易い。テーマとしてはロボットが人間に近付くことで生じる喜びや幸せ、そして、悲しみや怒りの連鎖が描かれ、感情を揺さぶる。

ゾイド-ZOIDS-』
金属生命体ゾイドが生息する惑星Ziでは、それらを兵器としヘリック共和国とガイロス帝国が長い間戦争を続けていた。ゾイド乗りを夢見る少年バンは、砂漠の遺跡で伝説のゾイド、オーガノイドと、記憶喪失の謎の少女フィーネと出会い、彼女の唯一の記憶である"ゾイドイヴ"を求めて旅に出る。
原作はタカラトミーの玩具シリーズ、アニメ原案は漫画家の山下道郎。様々な動物をモチーフとし、3DCGで描かれたゾイドのバトル描写が何よりも魅力的。初期ではCGの動きにぎこちなさも見られたが、シリーズ後期や続編『/0』では、その技術は完成され、野性味溢れる迫力あるバトルを描写した。

天使のたまご
人工太陽によって僅かに照らされる薄暗い廃墟を、大きな"たまご"を抱えた少女が彷徨い歩く。やがて少女は、十字架の様な銃を携えた少年と出逢い、行動を共にする。影の魚を追う漁師達、群れ成す戦車、朽ちた聖像、そして…
監督:押井守、デザイン:天野喜孝。全編通して、天野喜孝の絵画がアニメーションとして動き続ける、その美術を鑑賞するだけで価値があると言っても過言ではない。旧約聖書をモチーフとし、様々なアイコンが劇中に登場する。アニメーションに説明を求める人が見た場合、おそらく発狂するような作風だが、では、そもそもアニメとは何なのか、という事について考えてみても良いかもしれない。

以上、11作。