六連星手芸部員が何か書くよ

基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ、アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。 本音を言えばあみぐるまーです。制作したヒトガタあみぐるみについて、使用毛糸や何を考えて編んだか等を書いています。

総括 筆者の『新世紀エヴァンゲリオン』感想、考察(※『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を含むネタバレ有り〼)

本稿は現在公開中の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を含む新劇場版『ヱヴァンゲリヲン』シリーズやテレビシリーズ、旧劇場版、漫画版(貞本版)の『新世紀エヴァンゲリオン』のありとあらゆるネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


エヴァ遍歴(公式媒体)

貞本版(漫画版)

テレビシリーズ

旧劇場版

エヴァ2(PS2版)

鋼鉄のガールフレンド2nd(漫画版)

新劇場版


触れた順番と作品は多分、上記で以上のハズ。放送当時にリアルタイムで観てた人ではなくて、何年も経ってから興味を持って、まず最初に貞本版(漫画版)から入った人。ただ、書店で既刊を全て買って帰り夢中で読んだは良かったのだけれど、そこで完結していないという事に気付き呆然とした。

そこで、テレビシリーズと旧劇場版をTSUTAYAで全巻借りて視聴。なお、探したけど最初は全然見付からなくて、最後にここには無いだろうと決め付けていたエリアに置いてあり、「なんでロボットジャンルの棚に置いてあるんだよ!!」と憤慨していた面倒臭い子供だった覚えがある。ロボットじゃないって言ってるでしょ。ネタみたいだけど新劇を語る上では割とこの感覚は引きずってる。多分、この時はエヴァ2が出るか出ないかくらいの時期だったと思う。

エヴァ2は多分全ルートは見てない。マヤさんですら恋愛の攻略対象に出来るくらい自由度が高いゲーム。本作で登場したデュアルソー等の武装が貞エヴァに後に輸入されたりしている。シンエヴァでシンジ君が釣りしてたのって本作の釣りエンドと多分同じ理由ですよね?鋼鉄2ndは当時4巻で終わったと思っててその後の2巻を読んでない。一言で言えば少女漫画版学園エヴァエヴァは出てこないけど。他にも色々出ていたけど、自分はキャラクター商法みたいなモノにあまり興味が無いので触ってない。

その後は貞エヴァには興味関心を持ち続けていたけど、その他の媒体にはあまり触れず、新劇場版の制作発表当時も(もうエヴァはいいかな…)みたいな心境だった。そして、序のPVでポジトロンライフルを構えた初号機を観た瞬間に格好良さに手の平を返し、劇場へと向かい今に至る。


二次創作/ファンフィクション(FF)とか2chとか

兎にも角にも旧劇場版の終わり方に衝撃を受けて、「こんな終わり方で良いの!?」みたいな感覚を抱いていた。そこで自分が取った行動が、Twitterもpixivも無い時代の個人サイトサーフィン。あとは2chのFFまとめを読み漁ったり。そう、当時は投稿サイトなんてモノは存在しなかったから、熱心なファンが率先してWebサイトを開設してFF(二次創作とは呼ばれてなかった気がする。専らファンフィクション)を連載し、そこに多くの人がイラストや小説を寄稿していた。学園パラレルからifストーリー、新劇場版よろしく繰り返しの物語まで色々と。というか、ヱヴァ破公開当時ですらpixivは未だ存在せず、かの有名な『2nd RING』は当時完結していなかったというのだから時間感覚が狂う。今となっては現存する数少ない個人サイトの一つとなってしまった。大半のサイトは既にディラックの海に沈んでいる。

あと、自分が書いたモノもまとめサイトにログはまだあるっぽい。ker名義じゃないスレ番なのでパブサは不可能。多分、読めばコレだというのがわかる内容だけど、なにせ数が多過ぎるので掘り当てるのは無理だと思う。実は、旧劇場版……というよりテレビシリーズを含めた旧世紀版で自分が最も怖いと感じたのはアスカだったのだけれど、何故かFFの題材にしたのはそのアスカとキョウコの親子の話。トラウマ的なイメージの払拭とかを試みたのかもしれない。


時代が少し進んで破公開当時。2chの貞エヴァ板がめっちゃ荒らされた。多分もうある種の死語なんじゃないかと思うけど、エヴァカップリングって当時はLRSとかLASとかの表記がされてて、これはもう今で言うところのジャンルの棲み分けとか解釈違いとかみたいなものと言った方が正確かもしれない。相容れないから。で、貞エヴァ板の当時の専らの関心というか雰囲気はそのどちらでもなく“シンジとゲンドウの関係性”に重点があった。そこにある時、破を見た部外者(?)が「LRSは正義!!LAS敗北ばーかばーか!!」みたいなを連投してきた。当時の貞エヴァ板はIDが表示されない場所に設置されていて、それでも特に荒れることなく進行していたのだけれど、流石にこのままの運用は無理だというスレッドの空気になり、自分の体感では10人くらい(私含む)で移転先や掲示するスレッドのルール表を話し合い、IDが表示される場所に移転した。なんて事も。ただ、今思うと昨今のTwitterよりは秩序があったように思う。

 


閑話休題、新劇の話どこ行った?

 


旧世紀版と新劇場版ごちゃ混ぜの話

エヴァそのものの生々しさに関しては、旧世紀版に比べたら制御不能の生き物感が新劇では薄れたなと思う。Q、シンのエヴァシリーズなんてここまで来るともうロボットだし(バイオロイドなのかもしれないけど)。あと、新劇場版では暴走形態すらヒトの制御化に置かれてしまった点に加え、やはり作画の変化の問題はあると思う。新劇場版は綺麗なんだけど、3DCGで統制が取られてるので荒っぽくない。自分がエヴァを通して最高の作画だと思っているのは、旧劇場版の“弍号機vs量産機戦の礒光雄さんの担当カット”であり、思い出補正もあるのだけど、これ以上の戦闘シーンって新劇場版では得られなかったかなと思う。弍号機がグングニルコピーを振り回して量産機と切り結び、エントリープラグ内のアスカが反動や振り回す遠心力でぐわんぐわんと揺れるあのカット。

あと、物量の処理的に無理なんだと思うけど、シンエヴァ人類補完計画には旧世紀版程の不気味さ、気持ち悪さ、グロテスクさは感じられなかった。ただ、これは初見の衝撃が無いので新劇場版から入った人がどう感じたかはわからない。自分は、リリスが3DCGになってしまったのは味気無いと感じたけれど、異質で浮いてると捉える人もいるだろうとは思う。ただ、文句ばかり浮かべてた訳ではなくて、(初号機vs13号機戦、裏宇宙の第三新東京市の背景が安っぽ過ぎやしないか?ビルがスライドするようにズレて倒壊しないのはなんなんだ?)と思っていたら初号機が空にぶつかって、ここが特撮の撮影スタジオ(というイメージ)だとわかる演出には成る程そう来たかと思った。この辺のカットは旧世紀版の演出の発展系だと感じた。ただ、戦闘の迫力に関しては割と?な部分があって、劇中でゲンドウが「この戦いは暴力で決するわけでは無い」という旨のことを言ってるので、それは制作陣も意図してわざとやってるんだろうなとは思った。というか、あのシーンは旧劇場版のような殺し合いじゃなくてシンジとゲンドウの親子喧嘩だろうし、それが同じようなニュアンスで描かれたらおかしな事になってしまう。そういう意味では、シンジとゲンドウとの関係が強くクローズアップされつつ初号機vs量産機を描いた貞エヴァ凄く好きなんですよ。


シンエヴァの取り留めない話

Aパートがあまりに「桜流し」の歌詞そのままの世界で、トウジとケンスケとの友情が本当に素晴らしくて、自分がエヴァに求めてたのはこういう描写なんじゃないかとすら思った。ヒカリの声優さんは岩男潤子さんでしたねと観てハッとしたというか、あまりに大人っぽくてドギマギした。あと、農業とか食とかお腹の大きかった猫が後になって子ども産んでたりとか、この辺の描写は庵野監督ってやっぱ宮崎駿監督の弟子だなと思った。

シンジのAパート序盤での描かれ方は、割と忠実に精神医学の森田療法をなぞっていて(知ってて取り入れたかはわからないけど)重度の鬱病になった庵野監督の状況とシンクロしていたんだろうなと感じた。この辺は『おおきなカブ』を観るとよくわかるんじゃないかと思う。

よい子のれきしアニメ おおきなカブ(株) 


加持さんは破とQの間に死んでいた…。誤解されがちなんだけどシンジが破で起こしたのはあくまでニアサードインパクトであって、破とQの間に更に初号機を利用したサードインパクトをゲンドウ(ゼーレ?)が起こし世界が崩壊、その後ヴィレが封印されていた初号機を強奪してQに、という流れになってる(なってるよね?)。シンエヴァで回想という形で幾らか補完されたけど、その間に渚カヲルネルフ(というよりヴィレの前身組織?)の総司令となり加持さんはカヲルの側近というか何でも屋ポジションにいたらしい。単身でサードインパクト止めるって何したのこの人…。唐突に死んでしまった印象は拭えないけど、そもそも旧世紀版でも人類補完計画の核心に迫った結果として唐突に消されたので元からそうだったと思わんでもない。


前半があまりに緩やかに物語が展開していたので、後半は人類補完計画の様式美は別として、旧世紀版に比べて登場人物みんな素直過ぎやしないかと思わんでもなかった。ただ、“なんでQで破から14年経ってるのか?”という解答がそうなんじゃないかとも思う。つまり、14年経ってるのにミサトさんがシンジが悪いみたいな事言い出したら嫌だし、リツコさんがあの場で感情的に母親(MAGI)に頼ったら嫌じゃないですか。その辺の役割はさくらとかに投げられて、旧世紀版から続投してた人達は、ゲンドウを除いてみんな大人になった、そのための14年だろうなと。まあ、アスカの設定は破からQに至るまでの間で変更されてるっぽい気はしますけどね。綾波レイ同様にクローン人間だった、と。使徒化も含めてヒロインの格差を無くす処置と思わんでもないですが。


終盤は、何というか鑑賞する側に解釈を委ねつつもまとめられちゃったなぁ……、という印象です。明らかに旧世紀版で滅んだ世界、アスカがシンジに「気持ち悪い……」と言ったあの世界から再構成された世界が舞台っぽいじゃないですか?まあ、序から言われてた事ですけど。しかも、この映画がどうして、どうやって作られたのかというある種のメタ的な意味合いも持たせつつ、結構あからさまに説明してて。カヲル君と出会った場所とか。もっとわかりにくく曖昧に描写するのかなと思ってたんですけど、まさかゲンドウが貞エヴァ版以上に自分の内面をあんな吐露するとは思わなくて。旧劇場版だとマッドサイエンティストやってたユイが母親やってましたね。加持さんが種の保存をしようとしてた描写が先にされてた事で、今作におけるユイの目的は旧劇場版とは異なるという心算が付いた状態で展開を追う事が出来た面もあり、割と受け入れ易く演出されていたなと感じました。それが無かったら(何でユイまで丸くなってんだ?)とか思ったかも。


ラストシーンだけはどう捉えたものかわからないです。ただ、単純に”世界はエヴァの無いこの現実のように再構成されました。その世界で大人になったシンジはマリと幸せに生活しています“みたいなエンディングではないとは思ってます。だって、あの時に至るまでDSSチョーカー付けっぱなしって有り得ないでしょう。というか、そう思っていたいだけかもですけど。エヴァは……、こういう形でエンディングを迎えたわけですけど、旧劇場版の突き放されたラストの後に、ああでもないこうでもないって色々考えて、ああいう考え方もあるのか、こういう作品を書く人がいるのかと色々探して読んでる、そういう行為を引っくるめてのコンテンツだという感覚が抜けないので。自分はその完結していない状態こそを楽しいと思ってるのかもしれない。


以上

 

以下、言及した各種媒体、リンクは画像クリック
ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序/破/Q』

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』

※シンエヴァ配信開始に伴い、Amazonプライムビデオで先行配信されていた序破Qの配信が差し替えられ新劇場版全作がドルビーデジタルプラス対応となりました。

ドルビーデジタルプラス:どこでもサラウンドサウンドを実現
ドルビーデジタルプラスの利用には対応したデバイスやスピーカー、ヘッドホンが必要になりますが、利用出来る方はコンテンツ再生後に音声設定から切り替えてみましょう。

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新世紀エヴァンゲリオンblu-ray BOX スタンダードエディション


エヴァ愛蔵版が出版されます。新規で読むという方は是非に。

モルカー6話より、ゾンビモルカーのあみぐるみ

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モルカー6話よりレギュラーキャラとなったゾンビモルカーのあみぐるみです。当初はサーティワンアイスが溶けた感じをどう編み図に落とし込めば良いのかわからなくて制作に着手出来なかったのですが、6話を10周くらい観たところで「そっか、ハンバーガーみたいに挟めば良いのか」と思い付いてあみぐるみました。色合いは6話準拠(やや濃いですが)、まだら模様とアイスの垂れた感じのヤツは9話を一時停止しながら確認しました。サイズや大まかな編み図は先日の金田のモルカーを継承してますが、タイヤを最初から胴体(?)を編む時に巻き込んで編み付けたり、耳が少し分厚く頑丈になっていたりと所々変えてます。

 

パペットアニメ映画『MOLCAR』より、金田のモルカーのあみぐるみ

「PUI PUI過ぎてお前にゃ無理だよ」

SF長編パペットアニメ『MOLCAR』より、主人公の金田のモルカーをあみぐるみました。テールランプの軌跡を全てストップモーションで表現した狂気のモルカーチェイスシーンは圧巻でしたね。
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はい、『PUI PUI モルカー』5話「プイプイレーシング」より、劇中劇『MOLCAR』の再現あみぐるみです。

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基本的な造形はともかくとしてステッカーの詳細まではわからなかったので、『AKIRA』の金田のバイクに寄せつつ“canon→carrot”のようにモルカーっぽい仕様にしてみました。

前回のシロモの時は顔の造形をあまり寄せられなかったのですが、今回は5話の野菜パフェ登場シーンに引っ張られつつ口の開き具合等はそれっぽくなったのではないかなと思います。

 



『マイリトルゴート』 感想と考察

本稿は虐待についての暴力描写に関する考察を含みます。ご了承の上で閲覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・本編

 

【臨時配信】 マイリトルゴート / My Little Goat

2021/03/01追記

配信期間終了しましたが、作品概要や監督コメントが掲載されている作品ページはそのままなのでリンク維持しています。

https://www.shortshortsonline.org/past-japan/videos/my-little-goat-1

Short Shorts Film Festival & Asia 2021 Online のジャパン部門セレクションで2021/6/30まで無料配信です。

マイリトルゴート | 第24回文化庁メディア芸術祭スペシャルサイト

文化庁で2021/12/24まで無料配信です。

2022/06/01よりYouTubeでの常時無料公開が発表されました。

 

・物語のあらすじ(筆者の理解)

オオカミの腹をハサミで裂き、食べられてしまった子山羊たちを助け出したお母さん山羊だったが、最初に食べられた長兄の山羊トルクは既にオオカミの胃袋の中で溶けて骨になってしまっていた。それを受け入れられなかったお母さん山羊は、山羊(羊?)のフードを被った人間の男の子を拾ってトルクとして家に連れ帰り「イチゴを摘んで来る」と言い残して鍵をかけて出て行ってしまう。

生き残った他のきょうだい達は、男の子が長兄トルクではないと気付き疑って詰め寄るが、男の子は家からの脱走を試みる。その際に裏返しにしてあった姿見を表にしてしまい、お姉ちゃん山羊は鏡に映った焼けただれた自分の姿を見て悲鳴を上げ、部屋の隅で泣き出してしまう。

男の子は他の山羊達がお姉ちゃん山羊を心配している隙に再度脱走を試みるが、泣いている彼女を放っておけずに自分のフードを脱いで彼女に被せてあげる。そうして、お姉ちゃん山羊が男の子の腕にも多数の傷がある事に気付いたその時、家にオオカミがやってきて子山羊たちは家のあちこちに隠れ、男の子にも隠れるよう促す。

男の子が震えて動けずにいると、家の扉がこじ開けらてしまう。しかし、やって来たのはオオカミではなく人間であり、男の子の父親であった。父親は男の子を心配していたと言いつつも直ぐに態度が豹変し、やがてオオカミに姿を変えて男の子の服を乱暴に脱がせ襲いかかる。その様子を黙って見ていられなかった子山羊たちは、一致団結してオオカミに襲いかかるが、みんなオオカミに吹き飛ばされてしまい、尚も男の子はオオカミに暴力を受け続ける。その時、お母さん山羊が帰宅し、取り落としたカゴの中にあったスタンガンを手に取ってオオカミを気絶させる。

子山羊たちは各々がパステルカラーのフードを被り“決して外に出てはいけない”というお母さん山羊を笑顔で見送ると、その言い付けを守ってドアの内側に何重にもつっかえ棒を挿していく。お母さん山羊は、男の子の父親の腹をハサミで裂き石を詰めて水辺に沈め、大きなトラバサミを抱えて何処かへと歩いていく。ヘリコプターの音が森にこだまする中、父親の靴が水面に浮かび上がり物語は終わる。


・虐待の描写について

もう皆さん言っている事なので改めて書くまでもないですが、男の子は常態的に父親に性的虐待を受けていると思われます。これは、男の子の服を脱がせて襲っていた事や、お母さん山羊にスタンガンで気絶させられた際に自身もズボンを下着ごと脱いでいた描写からも明らかですが、もう一方で身体的虐待に関しての描写にも触れておきます。

あらすじで触れた通り、男の子がお姉ちゃん山羊にフードを脱いで被せてあげた際、男の子の両腕に傷がある事がわかります。本作の季節がいつ頃であるかは劇中では明言されていませんが、画面に映ったイチゴ(見る限り野苺ではない)から旬の3〜4月の春であると思われます。なので、男の子がフードを被っていたとしても不自然ではないのですが、身体的虐待を加えている親が被虐待児に季節を問わず長袖長ズボンの格好をさせているというのは実際によくある事で、本作のフードはこれを意識した描写と思われます(※)。こうした境遇にある子供は、人前で服を脱いで傷を見られることを恐れたり嫌がったりするケースが多いですが、その中で男の子がお姉ちゃん山羊にフードを被せてあげるという描写には色々な事を考えさせられます。また、その行動を目の当たりにした事で、お姉ちゃん山羊は男の子を同胞として認めたのではないでしょうか?

※ただし、皮膚病等で年中長袖長ズボンの格好をしていなければならなかったり、抗癌剤等の副作用で夏場でもフードやパーカーを手放せないという人も勿論います。それだけで虐待と決め付けたり、変に疑ってかかるのは辞めてください。虐待が疑われる場合は、基本的には児童相談所に通報してください。


・オオカミという暗喩について

本作がグリム童話『狼と七匹の子山羊』をモチーフにしているのは明らかですが、読み慣れた展開と内容は大きく事なっています。実は、グリム童話は読み伝えられて書かれた年代や地域、啓蒙する内容によって物語が変化する事がままあります。例えば、オオカミの腹を裂く点で本作と共通する『赤ずきん』ですが、物語によっては赤ずきんちゃんが食べられたまま助け出されなかったり、赤ずきんちゃんは助かるがおばあちゃんは殺されてしまったり、あるいは、物語の悪役がオオカミではなく人間の野盗であったりします。自分の読んだ物語では、赤ずきんちゃんは野盗の男に襲われ惨殺されていました(何読んでんだこの人…)。つまり、女の子が見ず知らずの人に着いて行っては酷い目に遭う、という趣旨の啓蒙を過激に表現した物語としての側面も持っていたという事です。

話を戻して、つまり、本作のオオカミについても男の子の父親が豹変した姿がそうであったように、オオカミがイコールで本物の動物のオオカミを指すとは限りません。強姦目的で赤ずきんちゃんに近付き惨殺した男と同様の存在として捉えた方が、あるいは真に迫っているだろうと思われます。そうすると、物語冒頭で腹を裂かれていたオオカミも男の子の父親と同じ様な誰かかもしれません。案外、子山羊達の本当の父親かもしれません。


・オオカミと山羊という暗喩について

オオカミを見たままオオカミとして捉えられないかもしれないというのは前述の通りです。では、山羊はどうなのか。

男の子の父親を気絶させたスタンガンは、イチゴを摘んで帰って来たお母さんの持っていたカゴに入っていました。つまり、これはお母さんの持ち物です。山羊がスタンガンを持ち歩くというのは妙な話です。動物達が暮らし、言葉を話すファンタジーにしては描写が生々し過ぎます。であるならば、オオカミが身体的虐待、性的虐待を行っていた人間の父親の隠喩であったように、山羊もまた人間なのかもしれません。

お母さん山羊が子供達を家の外に出さないという描写について、ネグレクトと対となる過干渉に当たる…ようにも思われます…が、それは安全圏にいる外野だからそう言えるだけで、いつまたオオカミが襲って来ないとも限らない環境においては、お母さん山羊はそうせざるを得ないというのが実際でしょう。冒頭で腹を裂かれたオオカミは子羊達の実父なのか、それとも赤の他人が子山羊たちを襲ったのかは分かりませんが、お母さん山羊が家の外を子山羊たちにとって脅威であると考えている事は変わっていません。だからこそ、物語の最後でお母さん山羊は、ヘリコプターの音が鳴り響く中でトラバサミを抱えて家を出たのだろうと思います。おそらく、この世界にはお母さん山羊や子山羊たちの助けになってくれる猟師はいないからです。


以上


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サメ料理色々作ってみた

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下記の『姉のおなかをふくらませるのは僕』という料理漫画にモウカザメ料理が登場し、それ以来ずっと気になっていました(ちなみに登場は3巻)。最近になってスーパーでよく見かけるようになったので、食材と調理法の相性を調べるべく色々作ってみました。細かいレシピは載せませんが一言ずつコメントします。ちなみに、小売価格は100gあたり100円前後のようです。

 

 


・ムニエル

後述のステーキと並んで双璧です。身に脂っぽさが皆無なので、それを補えるオリーブオイルとタルタルソースを用いた、食材と調理法の相性がとても良いです。
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・ステーキ(ニンニク醤油)

たんぱくな味なので、塩胡椒だけよりニンニクを加えて焼いた方がパンチがあって良いです。
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・ステーキ(きのこソース)

原作漫画に登場したのはコレ。詳細は読んで下さい。
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・南蛮

揚げ物とは思えないくらいにサッパリしてますが、脂身が無いので噛んだ際のジューシーさに欠けます。タルタルソースで脂っぽさを補えるので相性は誤魔化せます。竜田揚げ、唐揚げ、カツ等は下味が染みない、ジューシーさが足りない等の理由で価格を考えてもあまり適しません。
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・塩焼き

今更ですが切り身に骨が無いので食べ易いです。ただ、塩だけではパンチに欠けます。
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・西京焼き

塩焼きよりは幾らか補えますが、やはりパンチ不足です。
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・ホイル焼き

小骨を全く気にせずにホイル焼きを食べられるのは利点ですが、シャケのように出汁が出るわけでもなければ、野菜の旨みが身に染みやすいというわけでも無いので相性は可も不可も無しです。

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・サメチリ

自分は普段、海老の代わりに鶏胸肉やもも肉を皮付のまま使って鶏チリを作る事が多いのですが、そのジューシーさに慣れてしまうとサメをわざわざ用いるメリットが特に無いです。カロリーを考えても鶏胸肉の皮を取って調理した方が良いでしょう。
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・中華餡かけ

脂っぽさを中華餡で補えるのと、小骨を気にせずに餡かけが食べられるという点で相性としては悪く無いです。
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和洋中と色々作ってみましたが、前述の通り相性が良いのはムニエルとステーキで洋食です。肉として見るなら脂身が無い点は鶏胸肉に近いですが、身はほぐれ易く味は染み難いです。魚として見るなら小骨が無い事が最大の利点です。調理法としては総じて、小麦粉や片栗粉で表面をコーティングして火を通し(ステーキは最初に両面を焼いて)、ニンニク醤油やタルタルソース等のパンチのある味付けを添えるのが良いと思います。

 

以上

けるさん家の今日のごはん 2021年1月

サメ南蛮

甘酢+タルタル。アリです。

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サメカツ丼

カットしてから煮ると味が抜けてダメだった。相性は意外と悪い。

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鶏南蛮とエビチリ

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トムヤンクンもどき

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『新米姉妹のふたりごはん』よりピザ

ちょっとだけレシピ改変

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鯖と南瓜を煮た

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毎月20日カレーの日生存戦略グリーンカレー

上記のトムヤンクンもどきがベース

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