六連星手芸部員が何か書くよ

基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ、アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。 本音を言えばあみぐるまーです。制作したヒトガタあみぐるみについて、使用毛糸や何を考えて編んだか等を書いています。

総括 筆者の『新世紀エヴァンゲリオン』感想、考察(※『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を含むネタバレ有り〼)

本稿は現在公開中の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を含む新劇場版『ヱヴァンゲリヲン』シリーズやテレビシリーズ、旧劇場版、漫画版(貞本版)の『新世紀エヴァンゲリオン』のありとあらゆるネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


エヴァ遍歴(公式媒体)

貞本版(漫画版)

テレビシリーズ

旧劇場版

エヴァ2(PS2版)

鋼鉄のガールフレンド2nd(漫画版)

新劇場版


触れた順番と作品は多分、上記で以上のハズ。放送当時にリアルタイムで観てた人ではなくて、何年も経ってから興味を持って、まず最初に貞本版(漫画版)から入った人。ただ、書店で既刊を全て買って帰り夢中で読んだは良かったのだけれど、そこで完結していないという事に気付き呆然とした。

そこで、テレビシリーズと旧劇場版をTSUTAYAで全巻借りて視聴。なお、探したけど最初は全然見付からなくて、最後にここには無いだろうと決め付けていたエリアに置いてあり、「なんでロボットジャンルの棚に置いてあるんだよ!!」と憤慨していた面倒臭い子供だった覚えがある。ロボットじゃないって言ってるでしょ。ネタみたいだけど新劇を語る上では割とこの感覚は引きずってる。多分、この時はエヴァ2が出るか出ないかくらいの時期だったと思う。

エヴァ2は多分全ルートは見てない。マヤさんですら恋愛の攻略対象に出来るくらい自由度が高いゲーム。本作で登場したデュアルソー等の武装が貞エヴァに後に輸入されたりしている。シンエヴァでシンジ君が釣りしてたのって本作の釣りエンドと多分同じ理由ですよね?鋼鉄2ndは当時4巻で終わったと思っててその後の2巻を読んでない。一言で言えば少女漫画版学園エヴァエヴァは出てこないけど。他にも色々出ていたけど、自分はキャラクター商法みたいなモノにあまり興味が無いので触ってない。

その後は貞エヴァには興味関心を持ち続けていたけど、その他の媒体にはあまり触れず、新劇場版の制作発表当時も(もうエヴァはいいかな…)みたいな心境だった。そして、序のPVでポジトロンライフルを構えた初号機を観た瞬間に格好良さに手の平を返し、劇場へと向かい今に至る。


二次創作/ファンフィクション(FF)とか2chとか

兎にも角にも旧劇場版の終わり方に衝撃を受けて、「こんな終わり方で良いの!?」みたいな感覚を抱いていた。そこで自分が取った行動が、Twitterもpixivも無い時代の個人サイトサーフィン。あとは2chのFFまとめを読み漁ったり。そう、当時は投稿サイトなんてモノは存在しなかったから、熱心なファンが率先してWebサイトを開設してFF(二次創作とは呼ばれてなかった気がする。専らファンフィクション)を連載し、そこに多くの人がイラストや小説を寄稿していた。学園パラレルからifストーリー、新劇場版よろしく繰り返しの物語まで色々と。というか、ヱヴァ破公開当時ですらpixivは未だ存在せず、かの有名な『2nd RING』は当時完結していなかったというのだから時間感覚が狂う。今となっては現存する数少ない個人サイトの一つとなってしまった。大半のサイトは既にディラックの海に沈んでいる。

あと、自分が書いたモノもまとめサイトにログはまだあるっぽい。ker名義じゃないスレ番なのでパブサは不可能。多分、読めばコレだというのがわかる内容だけど、なにせ数が多過ぎるので掘り当てるのは無理だと思う。実は、旧劇場版……というよりテレビシリーズを含めた旧世紀版で自分が最も怖いと感じたのはアスカだったのだけれど、何故かFFの題材にしたのはそのアスカとキョウコの親子の話。トラウマ的なイメージの払拭とかを試みたのかもしれない。


時代が少し進んで破公開当時。2chの貞エヴァ板がめっちゃ荒らされた。多分もうある種の死語なんじゃないかと思うけど、エヴァカップリングって当時はLRSとかLASとかの表記がされてて、これはもう今で言うところのジャンルの棲み分けとか解釈違いとかみたいなものと言った方が正確かもしれない。相容れないから。で、貞エヴァ板の当時の専らの関心というか雰囲気はそのどちらでもなく“シンジとゲンドウの関係性”に重点があった。そこにある時、破を見た部外者(?)が「LRSは正義!!LAS敗北ばーかばーか!!」みたいなを連投してきた。当時の貞エヴァ板はIDが表示されない場所に設置されていて、それでも特に荒れることなく進行していたのだけれど、流石にこのままの運用は無理だというスレッドの空気になり、自分の体感では10人くらい(私含む)で移転先や掲示するスレッドのルール表を話し合い、IDが表示される場所に移転した。なんて事も。ただ、今思うと昨今のTwitterよりは秩序があったように思う。

 


閑話休題、新劇の話どこ行った?

 


旧世紀版と新劇場版ごちゃ混ぜの話

エヴァそのものの生々しさに関しては、旧世紀版に比べたら制御不能の生き物感が新劇では薄れたなと思う。Q、シンのエヴァシリーズなんてここまで来るともうロボットだし(バイオロイドなのかもしれないけど)。あと、新劇場版では暴走形態すらヒトの制御化に置かれてしまった点に加え、やはり作画の変化の問題はあると思う。新劇場版は綺麗なんだけど、3DCGで統制が取られてるので荒っぽくない。自分がエヴァを通して最高の作画だと思っているのは、旧劇場版の“弍号機vs量産機戦の礒光雄さんの担当カット”であり、思い出補正もあるのだけど、これ以上の戦闘シーンって新劇場版では得られなかったかなと思う。弍号機がグングニルコピーを振り回して量産機と切り結び、エントリープラグ内のアスカが反動や振り回す遠心力でぐわんぐわんと揺れるあのカット。

あと、物量の処理的に無理なんだと思うけど、シンエヴァ人類補完計画には旧世紀版程の不気味さ、気持ち悪さ、グロテスクさは感じられなかった。ただ、これは初見の衝撃が無いので新劇場版から入った人がどう感じたかはわからない。自分は、リリスが3DCGになってしまったのは味気無いと感じたけれど、異質で浮いてると捉える人もいるだろうとは思う。ただ、文句ばかり浮かべてた訳ではなくて、(初号機vs13号機戦、裏宇宙の第三新東京市の背景が安っぽ過ぎやしないか?ビルがスライドするようにズレて倒壊しないのはなんなんだ?)と思っていたら初号機が空にぶつかって、ここが特撮の撮影スタジオ(というイメージ)だとわかる演出には成る程そう来たかと思った。この辺のカットは旧世紀版の演出の発展系だと感じた。ただ、戦闘の迫力に関しては割と?な部分があって、劇中でゲンドウが「この戦いは暴力で決するわけでは無い」という旨のことを言ってるので、それは制作陣も意図してわざとやってるんだろうなとは思った。というか、あのシーンは旧劇場版のような殺し合いじゃなくてシンジとゲンドウの親子喧嘩だろうし、それが同じようなニュアンスで描かれたらおかしな事になってしまう。そういう意味では、シンジとゲンドウとの関係が強くクローズアップされつつ初号機vs量産機を描いた貞エヴァ凄く好きなんですよ。


シンエヴァの取り留めない話

Aパートがあまりに「桜流し」の歌詞そのままの世界で、トウジとケンスケとの友情が本当に素晴らしくて、自分がエヴァに求めてたのはこういう描写なんじゃないかとすら思った。ヒカリの声優さんは岩男潤子さんでしたねと観てハッとしたというか、あまりに大人っぽくてドギマギした。あと、農業とか食とかお腹の大きかった猫が後になって子ども産んでたりとか、この辺の描写は庵野監督ってやっぱ宮崎駿監督の弟子だなと思った。

シンジのAパート序盤での描かれ方は、割と忠実に精神医学の森田療法をなぞっていて(知ってて取り入れたかはわからないけど)重度の鬱病になった庵野監督の状況とシンクロしていたんだろうなと感じた。この辺は『おおきなカブ』を観るとよくわかるんじゃないかと思う。

よい子のれきしアニメ おおきなカブ(株) 


加持さんは破とQの間に死んでいた…。誤解されがちなんだけどシンジが破で起こしたのはあくまでニアサードインパクトであって、破とQの間に更に初号機を利用したサードインパクトをゲンドウ(ゼーレ?)が起こし世界が崩壊、その後ヴィレが封印されていた初号機を強奪してQに、という流れになってる(なってるよね?)。シンエヴァで回想という形で幾らか補完されたけど、その間に渚カヲルネルフ(というよりヴィレの前身組織?)の総司令となり加持さんはカヲルの側近というか何でも屋ポジションにいたらしい。単身でサードインパクト止めるって何したのこの人…。唐突に死んでしまった印象は拭えないけど、そもそも旧世紀版でも人類補完計画の核心に迫った結果として唐突に消されたので元からそうだったと思わんでもない。


前半があまりに緩やかに物語が展開していたので、後半は人類補完計画の様式美は別として、旧世紀版に比べて登場人物みんな素直過ぎやしないかと思わんでもなかった。ただ、“なんでQで破から14年経ってるのか?”という解答がそうなんじゃないかとも思う。つまり、14年経ってるのにミサトさんがシンジが悪いみたいな事言い出したら嫌だし、リツコさんがあの場で感情的に母親(MAGI)に頼ったら嫌じゃないですか。その辺の役割はさくらとかに投げられて、旧世紀版から続投してた人達は、ゲンドウを除いてみんな大人になった、そのための14年だろうなと。まあ、アスカの設定は破からQに至るまでの間で変更されてるっぽい気はしますけどね。綾波レイ同様にクローン人間だった、と。使徒化も含めてヒロインの格差を無くす処置と思わんでもないですが。


終盤は、何というか鑑賞する側に解釈を委ねつつもまとめられちゃったなぁ……、という印象です。明らかに旧世紀版で滅んだ世界、アスカがシンジに「気持ち悪い……」と言ったあの世界から再構成された世界が舞台っぽいじゃないですか?まあ、序から言われてた事ですけど。しかも、この映画がどうして、どうやって作られたのかというある種のメタ的な意味合いも持たせつつ、結構あからさまに説明してて。カヲル君と出会った場所とか。もっとわかりにくく曖昧に描写するのかなと思ってたんですけど、まさかゲンドウが貞エヴァ版以上に自分の内面をあんな吐露するとは思わなくて。旧劇場版だとマッドサイエンティストやってたユイが母親やってましたね。加持さんが種の保存をしようとしてた描写が先にされてた事で、今作におけるユイの目的は旧劇場版とは異なるという心算が付いた状態で展開を追う事が出来た面もあり、割と受け入れ易く演出されていたなと感じました。それが無かったら(何でユイまで丸くなってんだ?)とか思ったかも。


ラストシーンだけはどう捉えたものかわからないです。ただ、単純に”世界はエヴァの無いこの現実のように再構成されました。その世界で大人になったシンジはマリと幸せに生活しています“みたいなエンディングではないとは思ってます。だって、あの時に至るまでDSSチョーカー付けっぱなしって有り得ないでしょう。というか、そう思っていたいだけかもですけど。エヴァは……、こういう形でエンディングを迎えたわけですけど、旧劇場版の突き放されたラストの後に、ああでもないこうでもないって色々考えて、ああいう考え方もあるのか、こういう作品を書く人がいるのかと色々探して読んでる、そういう行為を引っくるめてのコンテンツだという感覚が抜けないので。自分はその完結していない状態こそを楽しいと思ってるのかもしれない。


以上

 

以下、言及した各種媒体、リンクは画像クリック
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エヴァ愛蔵版が出版されます。新規で読むという方は是非に。