六連星手芸部員が何か書くよ

基本的には、ツイッターに自分が上げたネタのまとめ、アニメや漫画の感想、考察、レビュー、再現料理など。 本音を言えばあみぐるまーです。制作したヒトガタあみぐるみについて、使用毛糸や何を考えて編んだか等を書いています。

こうして、宇宙は交際したての初々しいカップルが爆発して誕生した〜『HELLO WORLD』感想と考察

本稿は映画公開当時に観た際にも何か書こうとして幾らか下書きをしていたのですが、上手くまとまらずにそのままお蔵入りしていました。しかし、今回アマプラでの配信を機に観直したところ、初見時よりも色々と見えてくる物が多くてより楽しめたと感じられたので、改めて書こうと考えた次第です。1周目より2周目、2周目より3周目の方が感情移入の幅が広がっていき、より面白くなっていくと感じました。「爆発しろ……」と呟きながら下唇を噛み締めて繰り返し鑑賞しましょう。

 


Amazonプライムビデオ『HELLO WORLD

ネタバレ有りなのでまずはご覧になって下さい。以下、しばらく空欄。

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

あらすじ(筆者目線)

爆発しろ

とっとと爆発しろ

おばあさんの目が大きいのはね〜?2人の爆発を見守るためだよ〜

はぁ……マジで爆発しろ

ブラックホール

そこだ爆発しろ

くぎゅうううううううううううううう

貴方とは爆発出来ないだなんて……

君と爆発する為に世界の壁を超えてきたとか爆発しろ

そういうアンタだって「俺は君と爆発したかったんだ」って言ってたろ何でそんな事言うんだ!!

ビッグバン!!

本当に爆発した……

爆発したけど末永く爆発しろ


HELLO WORLD


アンタだって爆発出来るじゃん……

 

 

 

……いや、冗談じゃないけど冗談ですよ?でも、既視聴者なら何言ってるかわかるハズ。

 


以下、本文


詳細なあらすじ(本物)

2047年、月面。一行瑠璃(以下、八咫烏)は脳死状態に陥った恋人である堅書直実(以下、先生)を救うため、彼の精神を”量子コンピュータであるアルタラIIによってシミュレートされる仮想世界“(以下、α)で再構成してサルベージすべく、八咫烏アバターを纏って仮想世界へと侵入する。そして、その世界を現実と誤認している先生に先行して“アルタラIIがシミュレートする仮想世界のアルタラがシミュレートする2027年の仮想世界”(以下、β)へと侵入し、高校生当時の堅書直実(以下、直実)をβ世界へと侵入した先生の元に導いて彼らと行動を共にする。

α世界において先生と恋人となった一行瑠璃(以下、瑠璃)は落雷事故によって脳死状態となっており、先生はこの事実をあたかも彼女が死亡したかのように直実に誤認させ、β世界で直実と恋人となった瑠璃の精神をα世界へとサルベージする事で彼女の意識を回復させる事を画策していた。八咫烏はそんな先生に、仮想世界の情報を物理的に変質させる権限“神の手(グッドデザイン)”を司るツールとして付き添い、直実の事もまた見守っていた。

八咫烏は、先生が自分が恋人本人であるとも知らず、高校生当時の直実が秘匿していたエロ本(しかも、グラビアモデルは彼女の親友に非常によく似ている)の入った段ボール箱をあろう事か恋人本人にひっくり返させてドヤ顔をキメている姿にドン引き(多分)したり、先生が「お前今、一行瑠璃が可愛くないっつったか!?一行瑠璃は可愛い!!可愛い系だ!!」と連呼して力説する姿に悶絶(多分)したり、瑠璃と連絡先を交換してニヤつく直実をテレ隠し(多分)でどついたりしながら、先生と共に直実が瑠璃と恋人同士になる歴史を再現する傍ら、直実が神の手を使いこなせるよう手解きをしていく。

そうして落雷事故の日、直実は神の手によって歴史を変え瑠璃を救うが、その瞬間に彼女の精神は事故当時の状態へと同調し、本性を現した先生によってα世界へと連れ去られてしまう。自動修復システム“狐面”の暴走によりバグが広がっていくβ世界は、α世界の先生を含めた管理者によってリセットされる事が決定され、世界が崩壊していく。直実は瑠璃を救いたい一心でβ世界を飛び出し、八咫烏に導かれてα世界へと侵入する。

α世界の肉体と同調し意識を取り戻した瑠璃であったが、直実が神の手を使って古本市の失敗という事実を書き換えた影響で認識に齟齬が生じ、瑠璃は先生を自分の知る直実ではないと拒絶する。そして、α世界の狐面はそんな瑠璃の肉体と精神が別物であると判定し、アドレスの重複を解消する為に彼女の抹消を試みる。この時、α世界もまた仮想世界であると先生は初めて知る事となる。直実は間一髪でα世界に侵入して瑠璃を救い、先生を殴り倒し、八咫烏と共に元の世界へと帰る為に奔走する。

アルタラの暴走によりα世界もまた危機に瀕していると知った先生は、瑠璃を元の世界に帰す事を決意し直実に協力する。「自分を愛してくれてありがとう」と告げて元の世界へと帰っていく瑠璃を涙で見送った先生だったが、今度は直実と先生のアドレスの重複を解消する為にシステムが動き出す。先生は直実に「(神の手を使って)俺を消せ」と迫る。直実はこれを一旦は拒否するが、システムは神の手の処理能力を超えて彼らを追い詰め、直実を庇った先生は致命傷を負わされてしまう。「幸せになれ」と直実に言い遺した先生は神の手によって消滅し、それと同時にアルタラの管理者によって狐面のシステムが停止され、β世界の情報は処理される事なく無限に増殖していき、やがて情報のビックバンが起こる。

直実が目を覚ますと世界は夜明けを迎えており、再開を果たした瑠璃と今度こそ結ばれる。「元の世界に帰れたんでしょうか?」という瑠璃の問い掛けに対し、直実が「きっとここは誰も知らない新しい世界なんです」と答えたところで彼らの物語は幕を閉じる。


HELLO WORLD


直実を庇って死亡したかに思えた先生だったが、その瞬間に現実世界の肉体とα世界との精神とが同調し、先生は現実世界で目を覚ます。一行瑠璃は先生の目覚めを涙で迎え、彼らの物語もまた幕を閉じる。


好きは感情と行動のどちらが先か

さて、人間って“相手の事を好きになった結果として好意的な行動を取るようになる”のでしょうか?それとも、“好意的な行動を取っていくうちに相手の事を好きになる”のでしょうか?この命題は社会心理学、とりわけその中のカテゴリの一つである恋愛心理学でもテーマとして扱われていまして、議論は尽きない話題でもあります。社会心理学ってそういう研究してるの?と思われるかもしれませんが、人類の存亡に関わる重大なテーマです。皆さんはどちらだと思いますか?


本作における恋愛の鶏と卵

主人公の直実は当初、ヒロインの瑠璃ではなく学園のアイドル的存在である勘解由小路さんに好意(憧れ)を抱いていました。あらすじでも触れた通り、彼が隠し持っていたエロ本の表紙は彼女そっくりです(もう一冊の表紙は瑠璃に容姿は似てますが雰囲気が可愛い系ですね)。一方で、直実の瑠璃に対する印象は「近付いたら噛み付かれそうな孤高の狼みたいな人で僕には無理なんじゃ」です。先生に気圧される格好で“綺麗な人”とは言ってますが、お世辞にも好意を抱いているとは言えない状態です。それが先生の未来ノートに従って行動していくうちに彼女に本物の好意を抱いていくわけですから、本作の恋愛観は前述した二つの説のうちの“好意的な行動を取っていくうちに相手の事を好きになる”を採用している事がわかります。よくある物語の導入だと思われるかもしれませんが、自分は本作においては非常に重要で意味のある設定だと考えます。何故なら、肉体(行動)に精神(好意)を同調させる事で意識を回復させる、という物語の目的にはこの説を採用する事が必須となる為です。

ただし、“相手の事を好きになった結果として好意的な行動を取るようになる”事が描かれていない訳ではなく、むしろ本作における物語の転換点を作る重要なファクターです。直実は確かに未来ノートに従って瑠璃を好きになりましたが、彼女のために古本市を成功させたいと思って起こした行動は、直実が彼女を本当に好きになったからこその行動であり、その結果として瑠璃はあの冒険譚の思い出に強く結び付けられ、先生に対して「あなたは堅書さんじゃない」と告げたのだと思われます。


多層構造の世界と多層構造の主人公達の思惑

と言ってもそこまで大それた事は書かないのですが、本作は少なくとも2047年の現実、2037年の仮想世界、2027年の仮想世界の三層構造で物語が展開されています。もっとも、序盤で先生が語った事を踏まえると、現実とされたあの世界ですら2057年の現実世界のアルタラIIIがシミュレートする仮想世界である可能性はありますが。閑話休題、何を言いたいかと言うと、この記事の冒頭で1周目より2-3周目の方が面白いと書いたのはこの多層構造が理由です。初見時の観客は大抵の人が直実を主人公として捉えて物語を観ていたと思いますが、最初から先生を主人公として捉えて観た場合には全然違う感情移入の仕方をしながら物語を観る事になります。加えて、本作にもう一つ視点を設けるとしたら、それは先のあらすじをそうして書いたように八咫烏(現実の一行瑠璃)の目から見た物語だろうと思います。直実と先生が高校生当時の自分を巡って馬鹿やったり争ったり共闘したりしてるわけですよ。いったいどういう想いで彼らの側に居たのだろうなと思うとラストシーンは中々に感慨深いです。


以上

 

 

HELLO WORLD Blu-ray通常版

けるさん家の今日のごはん 2021年4月

アジ南蛮

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カヌレの味がする
フランスのパン屋さんのクレープ

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レシピは完コピで1枚だけ水抜きヨーグルトとジャムでトッピングしてます。

なんちゃってナン

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ぶり大根

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マヨから

レシピは下記リンクを参考にしています

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モウカザメのムニエル

新玉ネギの季節

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毎月20日カレーの日

生存戦略黒カレー

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スペインオムレツ

レシピは下記を参考に

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オニオンスープ

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シチュー

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おでんとおかか

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『放課後のプレアデス』より、ヒトガタあみぐるみの”すばる“

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第11回ニコニコ手芸祭「宇宙」出典作品となります。

放課後のプレアデス』はweb版公開から10周年の節目であると同時に、テレビシリーズの放送から6周年となります。そのため、キャラデザは両作の合いの子、みなとのカーディガンを羽織りつつ星型の髪飾り有りとしました。

例によって素体は下記の前作から踏襲していますが、植毛や足の編み方等色々と修正しています。

植毛は、髪の毛の本数1,300本強はほぼ変えず、つむじの中心が薄くなる(輪の中心であるため)問題を解消しました。足のサイズは、小さくしつつ自立を安定させる事に幾らか成功しましたが、強度に課題があるため要修正です。

スカートとセーラーとは同じ理屈で編んでますが、実は髪飾りの五芒星もそうです。最初はプリーツスカートを簡易的に編むにはどうすれば良いかを念頭に開発した編み方でしたが、色々と応用が効く事が分かってきました。正確には、(これは実際のところ自分は何をやっているんだ?)というのを編み方を開発した後になって考えた結果、これはプリーツスカートを編む方法ではなく三角形を編む方法だ、と正確に定義付け出来た事で正しく応用が効くようになったのだと思われます。

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また、つま先と肩の素体の肩のラインもそれとはまた別の理屈で編んでます。

 

以下、公式通販

『アサルトリリィBOUQUET』より、ヒトガタあみぐるみの秦祀様

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『アサルトリリィBOUQUET』より、ヒトガタあみぐるみの秦祀様です。前回編んだ夢結様ver.ルナティックトランサーの素体を基本的に踏襲してますが、あちこち手を加えているのでやはり別物になってます。

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※素体

とは言え内部には胸部用のフレームパーツを仕込んだ上で既にスカートを履かせてますが。

植毛は見た目通りそれなりの労力を要しますが、植毛用のメッシュパーツを幾らか改良して前回より楽出来るようにしました。その上で、もっと楽する方法も思い付いたので改良予定です。素体で他に大きく変更があったのが足首で、綿を詰めやすくする為に内部に仕切りを仕込んでます。その試みは成功でしたが(手間は掛かりますけど)、足裏の設置面を確保する為に脚部パーツを前回より一つ大きな針で編んだところ、縫い目が緩くなって(密度が下がって)安定性が低下するという本末転倒になったので、仕切りは採用しますがサイズは戻します。

衣類では襟パーツがキャラデザ通り鋭角になってます。ある程度サイズや角度を調節出来る三角形を任意の場所に編む編み方を開発したので、このタイプの造形は今後は楽出来そうです。

公式に結構こじらせた方と言われてる祀様。個人的解釈として、嫉妬深いというかやきもち焼きな面があって、好きな子にいじわるしちゃうタイプだと思ってます。本来なら、そう思ってるならそれが造形に反映出来れば良いのですが、なかなか難しいですね。

 

使用毛糸はアクリルウール混合のやわらかラム

以下、公式通販

『アサルトリリィBOUQUET』より、ヒトガタあみぐるみの白井夢結様 ver.ルナティックトランサー

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『アサルトリリィBOUQUET』より、ヒトガタあみぐるみの白井夢結様 ver.ルナティックトランサーです。以前編んだ通常夢結様と比べて素体が3回くらい改修されているので全くの別物です。

基本的な構造は上記で作成したモデルに準じますが、足腰を強化して再度自立可能になっていたり、目の刺繍の寄り目が直っていたり(あと縫うのが楽に)と細部で色々見直してます。ただ、足裏だけもう少しなんとかしたい。

ルナティックトランサーのキャラデザ通りにすると前髪で全く顔が見えなくなるので、適宜左右に髪をよけて撮ってます。本来は頬ブラシ無いですが、これが無いとドールの体温が下がるので梨璃完落ちverという事で。いつも通り胸部を仕込んだ素体に服着せて、頭部はメッシュパーツに髪の毛1,300本強編み付けてます。劇中通り頬に傷付けて流血でもいいのですが、それは自分の趣旨と合わないのでこれで。

使用毛糸はアクリルウール混合のやわらかラム

以下、公式通販

総括 筆者の『新世紀エヴァンゲリオン』感想、考察(※『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を含むネタバレ有り〼)

本稿は現在公開中の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を含む新劇場版『ヱヴァンゲリヲン』シリーズやテレビシリーズ、旧劇場版、漫画版(貞本版)の『新世紀エヴァンゲリオン』のありとあらゆるネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


エヴァ遍歴(公式媒体)

貞本版(漫画版)

テレビシリーズ

旧劇場版

エヴァ2(PS2版)

鋼鉄のガールフレンド2nd(漫画版)

新劇場版


触れた順番と作品は多分、上記で以上のハズ。放送当時にリアルタイムで観てた人ではなくて、何年も経ってから興味を持って、まず最初に貞本版(漫画版)から入った人。ただ、書店で既刊を全て買って帰り夢中で読んだは良かったのだけれど、そこで完結していないという事に気付き呆然とした。

そこで、テレビシリーズと旧劇場版をTSUTAYAで全巻借りて視聴。なお、探したけど最初は全然見付からなくて、最後にここには無いだろうと決め付けていたエリアに置いてあり、「なんでロボットジャンルの棚に置いてあるんだよ!!」と憤慨していた面倒臭い子供だった覚えがある。ロボットじゃないって言ってるでしょ。ネタみたいだけど新劇を語る上では割とこの感覚は引きずってる。多分、この時はエヴァ2が出るか出ないかくらいの時期だったと思う。

エヴァ2は多分全ルートは見てない。マヤさんですら恋愛の攻略対象に出来るくらい自由度が高いゲーム。本作で登場したデュアルソー等の武装が貞エヴァに後に輸入されたりしている。シンエヴァでシンジ君が釣りしてたのって本作の釣りエンドと多分同じ理由ですよね?鋼鉄2ndは当時4巻で終わったと思っててその後の2巻を読んでない。一言で言えば少女漫画版学園エヴァエヴァは出てこないけど。他にも色々出ていたけど、自分はキャラクター商法みたいなモノにあまり興味が無いので触ってない。

その後は貞エヴァには興味関心を持ち続けていたけど、その他の媒体にはあまり触れず、新劇場版の制作発表当時も(もうエヴァはいいかな…)みたいな心境だった。そして、序のPVでポジトロンライフルを構えた初号機を観た瞬間に格好良さに手の平を返し、劇場へと向かい今に至る。


二次創作/ファンフィクション(FF)とか2chとか

兎にも角にも旧劇場版の終わり方に衝撃を受けて、「こんな終わり方で良いの!?」みたいな感覚を抱いていた。そこで自分が取った行動が、Twitterもpixivも無い時代の個人サイトサーフィン。あとは2chのFFまとめを読み漁ったり。そう、当時は投稿サイトなんてモノは存在しなかったから、熱心なファンが率先してWebサイトを開設してFF(二次創作とは呼ばれてなかった気がする。専らファンフィクション)を連載し、そこに多くの人がイラストや小説を寄稿していた。学園パラレルからifストーリー、新劇場版よろしく繰り返しの物語まで色々と。というか、ヱヴァ破公開当時ですらpixivは未だ存在せず、かの有名な『2nd RING』は当時完結していなかったというのだから時間感覚が狂う。今となっては現存する数少ない個人サイトの一つとなってしまった。大半のサイトは既にディラックの海に沈んでいる。

あと、自分が書いたモノもまとめサイトにログはまだあるっぽい。ker名義じゃないスレ番なのでパブサは不可能。多分、読めばコレだというのがわかる内容だけど、なにせ数が多過ぎるので掘り当てるのは無理だと思う。実は、旧劇場版……というよりテレビシリーズを含めた旧世紀版で自分が最も怖いと感じたのはアスカだったのだけれど、何故かFFの題材にしたのはそのアスカとキョウコの親子の話。トラウマ的なイメージの払拭とかを試みたのかもしれない。


時代が少し進んで破公開当時。2chの貞エヴァ板がめっちゃ荒らされた。多分もうある種の死語なんじゃないかと思うけど、エヴァカップリングって当時はLRSとかLASとかの表記がされてて、これはもう今で言うところのジャンルの棲み分けとか解釈違いとかみたいなものと言った方が正確かもしれない。相容れないから。で、貞エヴァ板の当時の専らの関心というか雰囲気はそのどちらでもなく“シンジとゲンドウの関係性”に重点があった。そこにある時、破を見た部外者(?)が「LRSは正義!!LAS敗北ばーかばーか!!」みたいなを連投してきた。当時の貞エヴァ板はIDが表示されない場所に設置されていて、それでも特に荒れることなく進行していたのだけれど、流石にこのままの運用は無理だというスレッドの空気になり、自分の体感では10人くらい(私含む)で移転先や掲示するスレッドのルール表を話し合い、IDが表示される場所に移転した。なんて事も。ただ、今思うと昨今のTwitterよりは秩序があったように思う。

 


閑話休題、新劇の話どこ行った?

 


旧世紀版と新劇場版ごちゃ混ぜの話

エヴァそのものの生々しさに関しては、旧世紀版に比べたら制御不能の生き物感が新劇では薄れたなと思う。Q、シンのエヴァシリーズなんてここまで来るともうロボットだし(バイオロイドなのかもしれないけど)。あと、新劇場版では暴走形態すらヒトの制御化に置かれてしまった点に加え、やはり作画の変化の問題はあると思う。新劇場版は綺麗なんだけど、3DCGで統制が取られてるので荒っぽくない。自分がエヴァを通して最高の作画だと思っているのは、旧劇場版の“弍号機vs量産機戦の礒光雄さんの担当カット”であり、思い出補正もあるのだけど、これ以上の戦闘シーンって新劇場版では得られなかったかなと思う。弍号機がグングニルコピーを振り回して量産機と切り結び、エントリープラグ内のアスカが反動や振り回す遠心力でぐわんぐわんと揺れるあのカット。

あと、物量の処理的に無理なんだと思うけど、シンエヴァ人類補完計画には旧世紀版程の不気味さ、気持ち悪さ、グロテスクさは感じられなかった。ただ、これは初見の衝撃が無いので新劇場版から入った人がどう感じたかはわからない。自分は、リリスが3DCGになってしまったのは味気無いと感じたけれど、異質で浮いてると捉える人もいるだろうとは思う。ただ、文句ばかり浮かべてた訳ではなくて、(初号機vs13号機戦、裏宇宙の第三新東京市の背景が安っぽ過ぎやしないか?ビルがスライドするようにズレて倒壊しないのはなんなんだ?)と思っていたら初号機が空にぶつかって、ここが特撮の撮影スタジオ(というイメージ)だとわかる演出には成る程そう来たかと思った。この辺のカットは旧世紀版の演出の発展系だと感じた。ただ、戦闘の迫力に関しては割と?な部分があって、劇中でゲンドウが「この戦いは暴力で決するわけでは無い」という旨のことを言ってるので、それは制作陣も意図してわざとやってるんだろうなとは思った。というか、あのシーンは旧劇場版のような殺し合いじゃなくてシンジとゲンドウの親子喧嘩だろうし、それが同じようなニュアンスで描かれたらおかしな事になってしまう。そういう意味では、シンジとゲンドウとの関係が強くクローズアップされつつ初号機vs量産機を描いた貞エヴァ凄く好きなんですよ。


シンエヴァの取り留めない話

Aパートがあまりに「桜流し」の歌詞そのままの世界で、トウジとケンスケとの友情が本当に素晴らしくて、自分がエヴァに求めてたのはこういう描写なんじゃないかとすら思った。ヒカリの声優さんは岩男潤子さんでしたねと観てハッとしたというか、あまりに大人っぽくてドギマギした。あと、農業とか食とかお腹の大きかった猫が後になって子ども産んでたりとか、この辺の描写は庵野監督ってやっぱ宮崎駿監督の弟子だなと思った。

シンジのAパート序盤での描かれ方は、割と忠実に精神医学の森田療法をなぞっていて(知ってて取り入れたかはわからないけど)重度の鬱病になった庵野監督の状況とシンクロしていたんだろうなと感じた。この辺は『おおきなカブ』を観るとよくわかるんじゃないかと思う。

よい子のれきしアニメ おおきなカブ(株) 


加持さんは破とQの間に死んでいた…。誤解されがちなんだけどシンジが破で起こしたのはあくまでニアサードインパクトであって、破とQの間に更に初号機を利用したサードインパクトをゲンドウ(ゼーレ?)が起こし世界が崩壊、その後ヴィレが封印されていた初号機を強奪してQに、という流れになってる(なってるよね?)。シンエヴァで回想という形で幾らか補完されたけど、その間に渚カヲルネルフ(というよりヴィレの前身組織?)の総司令となり加持さんはカヲルの側近というか何でも屋ポジションにいたらしい。単身でサードインパクト止めるって何したのこの人…。唐突に死んでしまった印象は拭えないけど、そもそも旧世紀版でも人類補完計画の核心に迫った結果として唐突に消されたので元からそうだったと思わんでもない。


前半があまりに緩やかに物語が展開していたので、後半は人類補完計画の様式美は別として、旧世紀版に比べて登場人物みんな素直過ぎやしないかと思わんでもなかった。ただ、“なんでQで破から14年経ってるのか?”という解答がそうなんじゃないかとも思う。つまり、14年経ってるのにミサトさんがシンジが悪いみたいな事言い出したら嫌だし、リツコさんがあの場で感情的に母親(MAGI)に頼ったら嫌じゃないですか。その辺の役割はさくらとかに投げられて、旧世紀版から続投してた人達は、ゲンドウを除いてみんな大人になった、そのための14年だろうなと。まあ、アスカの設定は破からQに至るまでの間で変更されてるっぽい気はしますけどね。綾波レイ同様にクローン人間だった、と。使徒化も含めてヒロインの格差を無くす処置と思わんでもないですが。


終盤は、何というか鑑賞する側に解釈を委ねつつもまとめられちゃったなぁ……、という印象です。明らかに旧世紀版で滅んだ世界、アスカがシンジに「気持ち悪い……」と言ったあの世界から再構成された世界が舞台っぽいじゃないですか?まあ、序から言われてた事ですけど。しかも、この映画がどうして、どうやって作られたのかというある種のメタ的な意味合いも持たせつつ、結構あからさまに説明してて。カヲル君と出会った場所とか。もっとわかりにくく曖昧に描写するのかなと思ってたんですけど、まさかゲンドウが貞エヴァ版以上に自分の内面をあんな吐露するとは思わなくて。旧劇場版だとマッドサイエンティストやってたユイが母親やってましたね。加持さんが種の保存をしようとしてた描写が先にされてた事で、今作におけるユイの目的は旧劇場版とは異なるという心算が付いた状態で展開を追う事が出来た面もあり、割と受け入れ易く演出されていたなと感じました。それが無かったら(何でユイまで丸くなってんだ?)とか思ったかも。


ラストシーンだけはどう捉えたものかわからないです。ただ、単純に”世界はエヴァの無いこの現実のように再構成されました。その世界で大人になったシンジはマリと幸せに生活しています“みたいなエンディングではないとは思ってます。だって、あの時に至るまでDSSチョーカー付けっぱなしって有り得ないでしょう。というか、そう思っていたいだけかもですけど。エヴァは……、こういう形でエンディングを迎えたわけですけど、旧劇場版の突き放されたラストの後に、ああでもないこうでもないって色々考えて、ああいう考え方もあるのか、こういう作品を書く人がいるのかと色々探して読んでる、そういう行為を引っくるめてのコンテンツだという感覚が抜けないので。自分はその完結していない状態こそを楽しいと思ってるのかもしれない。


以上

 

以下、言及した各種媒体、リンクは画像クリック
ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序/破/Q』

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』

※シンエヴァ配信開始に伴い、Amazonプライムビデオで先行配信されていた序破Qの配信が差し替えられ新劇場版全作がドルビーデジタルプラス対応となりました。

ドルビーデジタルプラス:どこでもサラウンドサウンドを実現
ドルビーデジタルプラスの利用には対応したデバイスやスピーカー、ヘッドホンが必要になりますが、利用出来る方はコンテンツ再生後に音声設定から切り替えてみましょう。

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新世紀エヴァンゲリオンblu-ray BOX スタンダードエディション


エヴァ愛蔵版が出版されます。新規で読むという方は是非に。